【お知らせ】インタビュー「柳本々々さんに聞きました 季語のこと、定型のこと、勇気のこと」『週刊俳句 第452号』
- 2015/12/27
- 00:58

何事もやり続けないとダメです。「あいつ、またやってる」と、言われるようではまだまだ。「ま《だ》やってる」と、濁点が付いてこそ本物です。 みうらじゅん続けよう。続けられない。続けよう。 ベケットそれでも物語は、つづく。 クストリッツァ『週刊俳句 第452号』にて「柳本々々さんに聞きました 季語のこと、定型のこと、勇気のこと」というインタビューを西原天気さんからしていただきました。天気さん、ありがと...
【お知らせ】「わたしがあなたを好きな五つの理由―或いはヴァルター・ベンヤミンと竹井紫乙―」『川柳 杜人』248号・2015冬
- 2015/12/27
- 00:23

君が好き青や緑も好きになる 竹井紫乙 (『句集 ひよこ』編集工房円、2005年)このときのような街路を、ぼくは二度と見たことがない。家という家の戸口は炎を噴き、街角の石という石は火花を発し、路面電車はどれも消防車のように走ってきた。だってかの女は、どの戸口から、どの街角から現れるか知れなかったし、どの電車に乗っているか知れなかったのだから。 (ヴァルター・ベンヤミン『暴力批判論 他十篇 ベ...
【川柳連作】「おやすみ銀河」『おかじょうき』2015年12月号掲載作
- 2015/12/26
- 14:40

天の川にかかってしまうリダイヤルおやすみなさい(銀河パッケージング)すぺしゃるなひかりをあびた3がくる 惜しげもなく使用される三点リーダーあのな俺の話を結跏趺坐で聞くなよな 柳本々々「おやすみ銀河」『おかじょうき』2015年12月号 *顔つきがレインボーだと撃たれます 柳本々々 (題「顔」・奈良一艘 選・五客)だいたいのイエローを知る顔ですね 〃 (題「顔」・奈良一艘 選・佳作)でん...
【感想】わたしという夢を見ている臭く熱く痛く長く退屈な蚊取り 柳谷あゆみ
- 2015/12/25
- 16:40

わたしという夢を見ている臭く熱く痛く長く退屈な蚊取り 柳谷あゆみ金の斧と銀の斧とを見比べてもう戻れないさっきだったか 〃音がしないから気づかなかった風呂釜がさめざめ泣いている四角くて 〃【わたしはもうここにいたのだから】歌の出だしにちょっと注目してほしいんですが、柳谷さんの歌の出だしって定型がやぶけてるというかぼんやりまのびしたような感じから入る歌があるんですよ。「わたしという夢を…」や「金...
【ふしぎな川柳 第四十九夜】じゃあね、と云われたー普川素床ー
- 2015/12/25
- 15:55

ギャグを考えていると闇がじゃあね、と云った 普川素床【語ってるとじゃあねと云われるふしぎ】普川さんの句ってふしぎというかどういうふうに読めばいいんだろうかっていう句が多いんですが、たとえばこの句にあらわれているように語り手自身が〈語っている〉とういよりは、〈向こう側から話しかけられてしまっている〉ことが句になっているんじゃないかって気がしないでもないんですね。だから、語り手じしんもそのときその場...
【お知らせ】「【短詩時評 8復】ニューウェーブをめぐるデジタル・ジャーニー-帰りの旅-」『BLOG俳句新空間 第33号』
- 2015/12/25
- 00:12

『 BLOG俳句新空間 第33号』にて「【短詩時評 8復】 ニューウェーブをめぐるデジタル・ジャーニー-帰りの旅-」という文章を載せていただきました。『BLOG俳句新空間』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!貴方はずっと物語をするだけだ。絶対自分のことは喋らない。貴方が兄貴をどう思っていたかも、僕をどう思っているかも話してくれない。僕はもしかしたらもうすぐパンクして引退するかもしれないけど、それで...
【お知らせ】「特集・法橋ひらく第一歌集『それはとても速くて永い』の「それはとても惹かれる一首」」/「かばん十月号評「八十人のワンマン・ショー 十月号惑星間飛行」」『かばん』2015年12月号
- 2015/12/20
- 23:19

それを覚えておくにはあまりにも「速くて永い」短歌をひとはいつもどうやって追いかけるんだろう。 柳本々々2015年12月号の今月のかばんでは法橋ひらくさんの歌集『それはとても速くて永い』の特集が組まれていたんですが、「それはとても惹かれる一首」に声をかけていただいて「どれだけ覚えておけるんやろう真夜中の砂丘を駆けて花火を上げた」という歌集のいちばん最初の歌について書かせていただきました。法橋さんの歌の「...
【短歌連作】「もともととゆく第三回川柳カード大会」『かばん』2015年12月号
- 2015/12/20
- 21:56

【詞書】真夜中の大極殿にタッチする 小池正博ブラックホールに山積みになる眼鏡のボディかきわけて∞あれは樋口由紀子さん巨大猫を色紙に描けばきらきらとひかるネイル*あれは田久保亜蘭さんどろどろの戦車のレジュメ読みながら俯けば@あれは岡村知昭さん夥しい水牛かきわけマイクもちプーの話を◎あれは小池正博さんあとがきの話を始めあとがきの話で終わる※あれは竹井紫乙さん会場は鮫でいっぱい岸壁はやわらかい鶴/あれは...
【お知らせ】「【週俳11月の俳句を読む】木だけが生きている-いきること・とがること・まつこと-」『週刊俳句 第452号』
- 2015/12/20
- 11:57

『週刊俳句 第452号』にて「【週俳11月の俳句を読む】木だけが生きている-いきること・とがること・まつこと-」という文章を書かせていただきました。『週刊俳句』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました。お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。今回は千倉由穂さんの俳句連作「器のかたち」を自分なりに読んでみました。わたしはベケットの『ゴドーを待ちながら』に出てくる一文「木だけが生きている」...
【ふしぎな川柳 第四十八夜】きみのことずっと待ってた-石川重尾-
- 2015/12/20
- 11:44

巨大迷路ついに一人も出てこない 石川重尾【ふっと口をついて出てしまう「ついに」】この句の「ついに」っていうところがいいなとおもったんですよね。「ついに」っていうのは漢字で「終に」とも書きますが、つまり〈終わり〉まで語り手は〈見届けてる〉んですよ。誰も「一人も出てこない」ところをちゃんと見届けるまで語り手は待っていたわけです。巨大迷路の外で。それが「ついに」という3音に凝縮されている。だからこの句...