【お知らせ】「【短詩時評 17○】歌集の冒険-中家菜津子歌集『うずく、まる』批評会レポート@中野サンプラザ-」『BLOG俳句新空間 第41号』
- 2016/04/22
- 00:57

『 BLOG俳句新空間 第41号』にて「【短詩時評 17○】歌集の冒険-中家菜津子歌集『うずく、まる』批評会レポート@中野サンプラザ-」という文章を載せていただきました。『BLOG俳句新空間』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。「星が生まれる時、澄んでひかりながらしたたり落ちたものの重さを知らないのですね」「術日を決めましょう」 うずく、まる「わたく...
【短歌】炭酸の…(東京新聞・東京歌壇2016/4/17・東直子 選)
- 2016/04/19
- 13:33

炭酸の泡だけが響くこの部屋でシリアスな話 吐いちゃいそうだ 柳本々々 (東京新聞・東京歌壇2016/4/17・東直子 選)【耳と文学】この前の日曜日に中野サンプラザであった中家菜津子さんの歌集『うずく、まる』の批評会に参加したんですが、ひとつのテーマとして〈耳〉というのが出て来たんですよ。で、〈耳〉って感覚器官としておもしろいものがあって、意識と無意識のあわいのような場所にある器官なんですね。音って、思...
【感想】瀧村小奈生さんの欅、東直子さんの楡-短詩の森のなかで-
- 2016/04/14
- 12:36

息止めて止めて止めて止めて 欅 瀧村小奈生毒舌のおとろえ知らぬ妹のすっとんきょうな寝姿よ 楡 東直子【樹木の認】瀧村さんの川柳の「欅」も、東さんの短歌の「楡」も結語として凄く効いている気がするんですね。一読したしゅんかん、ああこれしかないんだ、って思ってしまう。で、なんでだろうって考えてみると、欅も楡もとても大きな樹木だけれど、そうかんたんにもう《動きようがない》んです。そこからさきの《アクシ...
【あとがき】『セレクション歌人26 東直子集』のあとがき
- 2016/04/13
- 18:10
短歌をつくるようになって、十数年がたった。短歌と関わることで私は変わっただろうか。……変わった、と思う。とても変わった、と。短歌をつくらなければ知らなかった自分に出会えたということを、確実に感じている。いつの間にか、淋しくておそろしい、わけのわからない自分が、短い言葉の裏に立っていた。気がつかなかったこころ。とりもどすことのできない気持。歌は、生々しい。それほど現実のできごとに即して作っているわけで...
【短歌】そうだよね…(東京新聞・東京歌壇・2016年4月10日・東直子 選)
- 2016/04/10
- 14:19
そうだよねきょうはチキンパイの日だよね裏切っても裏切っても一緒 柳本々々 (東京新聞・東京歌壇・2016年4月10日・東直子 選)【その日のチキンパイ】人生って、そのつどそのときあらわれる〈天使〉みたいなひとがいるじゃないですか。それは、なんだろう、ってよく考えるんです。ああきょうはなんだかぱっとしない一日だったなあっておもうと、ふっとやってくる。天使はあるときはひかりのかたちでくるかもしれないし、て...
【あとがき】宮台真司/大塚英志『愚民社会』のあとがき
- 2016/04/09
- 07:24
あなたの「私」もあなたの「ふるまい」も、それはあなたの責任であり、それを引き受けるのが嫌なら、つまり「近代」が嫌なら頭の中を真っ白にして、魚の群れに加わりゃいいじゃないか。そうしていつかどこかでその群れが誰かを殺すことに比喩として、あるいは比喩としてでなく、あなたは加担することになるのである。 大塚英志「「あとがき」にかえて もう一度だけ「公共の民俗学」について」『愚民社会』...
【ふしぎな川柳 第八十八夜】死にました、よ-岩田多佳子-
- 2016/04/08
- 18:24

やわらかい指で差されて死にました 岩田多佳子ここは、いったいどこだろう、なんの物音もない。そのような、無限に静寂な、真暗闇に、笠井さんは、いた。 太宰治「八十八夜」【形式のなかであなたと暮らす】さいきんちょっと現代川柳にはなぜ〈口語形式〉が多いんだろうって考えていたんです。ぜったいに非経済的なはずなんです。17音しかないわけですから、口語なんて饒舌な形式を選ぶのは間違っている。しかも、〈ていね...
【短歌】雪なのに…(「第97回 短歌ください(お題:雪)穂村弘 選」『ダ・ヴィンチ』2016年5月号)
- 2016/04/06
- 07:21

雪なのに雪なのに雪なのに雪みないで帰るほどに疲れて 柳本々々 (「第97回 短歌ください(お題:雪)穂村弘 選」『ダ・ヴィンチ』2016年5月号)【クリストファーへ向かう】以前、ほんとに忙しすぎて睡眠の時間がぜんぜん取れないときがあって、そういうときってひとってともかく〈理論〉から時間をつくりだそうとするんですね、新しく。つまり、どういうことかっていうと、あの「どんなに足の速いアキレスも亀には追いつけ...
【お知らせ】イラスト連載「やぎもともともとのゆらゆら絵川柳 第2回 佐藤幸子と〈茹で言語(ゆでことば)〉」(『あざみ通信16号』2016年3月)
- 2016/04/03
- 17:55

倉本朝世さんのあざみエージェントさんが発行している『あざみ通信』で連載させていただいている絵川柳のコーナー。『あざみ通信』16号(2016年3月)の連載第2回目は、佐藤幸子さんの句集『ブリキの夜汽車』からの絵川柳です。ことばにはならないものが茹で上がる 佐藤幸子 (『ブリキの夜汽車』あざみエージェント・2014年)川柳って、言葉をとおして、言葉でない場所に邁進していく文芸なのかなあってときどきおもうん...