【お知らせ】「俳句評 鴇田智哉と倉田タカシとウルトラセブン-『俳句と超短編 vol.3』を読む」『詩客 俳句時評』
- 2016/07/26
- 17:10

どこにもないはずの入り口を、おのれの形に切りひらき、黒い姿が流れに消える。いつか、戻るのだという。 倉田タカシ「ゆきかえり」『詩客 俳句時評』に「俳句評 鴇田智哉と倉田タカシとウルトラセブン-『俳句と超短編 vol.3』を読む」を書かせていただきました。倉田タカシさんの不思議なうねるような文体はふだんツイッターや、また『アパートメント』の〈電車小説〉でも拝見していてすごいなと思っていたんですが、...
【短歌】犬猿雉…/最後まで…(日経新聞・日経歌壇2016年7月24日 穂村弘 選/東京新聞・東京歌壇2016年7月24日 東直子 選)
- 2016/07/25
- 23:33
日本はアニメ、ゲームとパソコンと、あとの少しが平山郁夫 黒瀬珂瀾【日本と理解の2・5次元】さいきんずっと2・5次元ってなんだろうって考えていて、そのときふっと思い出したのが黒瀬さんの上の歌だったんです。この歌の「平山郁夫」という絵画の記号を〈二次元〉の記号とすると、それによって「アニメ、ゲームとパソコン」という記号が差異化されて〈二・五次元〉として湧いてくる。日本っていうのはほんの「少し」だけ〈...
あとがきの全次元展開
- 2016/07/25
- 05:08
こないだ時評でながや宏高さんとお話させていただいたときに、〈絵と短歌〉をめぐる話って、〈1・5次元〉をめぐる話なんじゃないかなって思ったんです。短歌に絵をつけること、歌をもとに絵を描くこと。歌と絵を往還する空間をつくること。線の文字テキストとしての1次元と、絵の平面としての2次元のあいだ、あわいにある〈1・5次元〉。さいきん、よく聞くのは2・5次元ですが、絵と短歌の往還関係は1・5次元なんじゃない...
【あとがき】長谷正人『映像という神秘と快楽』のあとがき
- 2016/07/24
- 08:44
……だがそれにしても、私はこうしていま「あとがき」を書きながら、本書の元になった文章群を毎月インターネット雑誌『Internet Photo Magazine』に連載していたときの、あの奇妙な「孤独」さについて思い出してしまう。同時代の他の映画研究者の論点とはほとんど関係ないところで、つまり社会的環境からわが身を切り離すかのように、自分自身の存在を問いなおす文章を書きつづけることは、本当に「孤独」な作業だった。しかも当時...
【お知らせ】「【短詩時評 23枚目】絵と短歌の国のアリス ながや宏高×柳本々々-描くこと・読むこと・歌うことのあわいで-」『BLOG俳句新空間 第47号』
- 2016/07/22
- 21:07

『 BLOG俳句新空間 第47号』にて「【短詩時評 23枚目】絵と短歌の国のアリス ながや宏高×柳本々々-描くこと・読むこと・歌うことのあわいで-」という文章を載せていただきました。『BLOG俳句新空間』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。玄関に靴を浮かべて沈まないように祈ってから乗りこんだ ながや宏高本文ではながや宏高さんと〈絵と短歌〉をめぐるお...
【短歌】首を振り…(東京新聞・東京歌壇2016年7月17日 東直子 選)
- 2016/07/17
- 20:09
首を振りかんがえている扇風機、の比喩はもうやめろと扇風機が 柳本々々 (東京新聞・東京歌壇2016年7月17日 東直子 選)【〈人非人〉のせかい】川柳をずっと見ていて思うのは、川柳は人間を描くというよりは、非人間を描くことを本懐とするのではないかということです。夜の海生きているって懐かしい 一帆 わたし、ずっとずっとの「つ」です よろしくね! 守田啓子おしりからWindows10にされる 月波与生トラウマ...
【希望の川柳 十二日目】希望のこと、めりめりのこと-くんじろう-
- 2016/07/15
- 00:06

めりめりを探し続けて三千里 くんじろう【いっしょにさがそう、めりめり】『川柳北田辺』63号からくんじろうさんの一句です。これは俳句と比較してそう言われることでもあるのかもしれないけれど、川柳とは人間を描くものである、という規定があるんですね。で、そうなんだろう、とも思うんだけれど、一方で、むしろまったく逆なんじゃないか、できるだけ〈人間〉を描かないように苦心してきたのが川柳なんじゃないかと思うんで...
【希望の川柳 十一日目 】やむをえない希望-高瀬霜石-
- 2016/07/11
- 23:03

ビビビビビ・ビビビビビビビ・ビートルズ 高瀬霜石【川柳はビートルズにどう向き合ったか】この句の面白さって、「ビートルズ」っていう名詞の強度にあるような気がするんです。「ビートルズ」という名詞を出したしゅんかん、すべてを語ることができてしまうような「ビートルズ」という名詞の強度。そうすると、ほかになにを語ってしまっても定型のなかがアンバランスになる。唯一それでも定型のなかでビートルズを語りうるのだ...