【あとがき】竹田青嗣『21世紀を読み解く竹田教授の哲学講義21講』のあとがき
- 2016/09/26
- 16:53
「原理」の方法には大きな利点が二つある。一つは、どんな精緻で高尚な理論でも、まずその思考の「原理」を確認するという視点をとれば、それがほんとうに独創的な考えかどうかをはっきりと判断できる。つまり「難解なものは深淵である」という迷妄から解き放たれる。もう一つは、いったん優れた「原理」が深く腑に落ちれば、ほかの雑多な考え方で考え進むことが難しくなることだ。 竹田青嗣「あとがき」『21世紀を読み解く竹田...
【お知らせ】「あとがきの冒険・9月のまとめ」『週刊俳句』
- 2016/09/25
- 22:33

【六、正岡豊さんの交わるあとがき】 ぼくの求めたたったひとつを持ってきた冬のウェイトレスに拍手を【七、小池正博さんの勇気のあとがき】 かつてわたしたちは赤ずきんから前進する勇気を学んだのではなかったか【八、森晶麿さんのあとがき・オブ・ザ・デッド】 「もしも僕の好きなひとがゾンビになったら」っていう命題について考える。【九、堂園昌彦さんの光るあとがき】 光は、すごく古くて、すごく新しい。正岡さんや小...
後書
- 2016/09/25
- 22:15

さいきん『真田丸』をずっと観ながら三谷幸喜性ってなんだろうって考えてたんですけど、うすうすそうなのかなとは前から思っていたんですが、たぶんそれはその役者がそれまでなにを演じてきたかの〈身体的記憶〉を資本として使うということなんじゃないかと思うんですよね。松本幸四郎がかつて大河ドラマで主演した役名とまったくおなじ名前で出てきた。しかもそこには三谷幸喜のドラマ『王様のレストラン』の伝説のソムリエ役の記...
【短歌】スクリーンには…(東京新聞・東京歌壇2016年9月25日・東直子 選)
- 2016/09/25
- 14:55

スクリーンには億万の塔がゆらめいて戦争をうつす試写会がおわる 柳本々々 (東京新聞・東京歌壇2016年9月25日・東直子 選) *分けあえば食べ物甘し指摘挙手拒否指示指定座ってなさい 東直子...
【川柳連作】「ひゃっ」(「今生抄・野沢省悟 選」『触光』48・2016年8月)
- 2016/09/25
- 11:17

あなたが見せてくれた宇宙はまだ無臭直子のことが三日間だけわからないロボットが知るめちゃくちゃという概念幽霊が笑っていいか訊いてくる苺なのか苺なのかと責められる鳩から帽子が出るほどのまごころ「ひゃっ」という音花束の背中さわると 柳本々々「ひゃっ」(「今生抄・野沢省悟 選」『触光』48・2016年8月) *時間外ですがせせらぎ聴かせます 野沢省悟...
【あとがき】福嶋亮大「あとがき」『復興文化論』
- 2016/09/25
- 11:09
常識に反して、ときには《歴史を手放すために書かれる歴史》もあり得るのではないかと私は密かに思っている。それに、私たちは往々にして、手と手を放したその瞬間においてこそ、相手の本当の姿、本当の色、本当の匂いを理解するものではなかっただろうか? 私は究極的には、手と手を放した瞬間の昂ぶりに劣らない「作品」を書きたかったのである。 福嶋亮大「あとがき」『復興文化論』...
【川柳】二月…/着ぐるみの…(「川柳杜人」創刊250号記念至上川柳句会」『杜人』2016年6月)
- 2016/09/23
- 13:56

二月三十日の朝を迎える 柳本々々 (題「朝」佐藤みさ子選・「川柳杜人」創刊250号記念至上川柳句会」『杜人』2016年6月)着ぐるみの中には着飾ったアリス 柳本々々 (題「着」広瀬ちえみ選・「川柳杜人」創刊250号記念至上川柳句会」『杜人』2016年6月) *指で弾くと澄んだ音するだいじょうぶ 佐藤みさ子インク壜の中は激しく揺れている 広瀬ちえみ...
【あとがき】田河水泡『滑稽の研究』のあとがき
- 2016/09/23
- 13:54
滑稽を総合的に研究するということは、間口を拡げることなので、それだけ奥行きは浅くなるから、骨を折ったわりにはうわっつらだけの浅薄な解説に終わっています。その欠点を補うためには、さらに資料を追加して埋めることですが、それはどこまでやってもこれでよしということにはならないので、打ち切るチャンスがないままに長い年月を過ごしてきました。始めは自分の勉強のための研究だったので、急ぐこともなく、気の向いたとき...
【川柳連作と散文】「密室忌」『旬』207・2016年9月
- 2016/09/22
- 11:14

密室で死体がやっとすこやかに 回せば回すほど膿んでいく万華鏡こんなにもとぅるとぅるしているの8はジュラ紀から叩くコンビニエンスストアの木の扉 親鸞聖人だったのに今はフリルフランケンシュタイン博士との同棲の日々初期状態コアラ最終もコアラ落ちる間際おっかさんまでは言えた 刀をよく振ったらしぼりましょうよ「アンドロメダは涼しいだろうか」てがみを書いている 柳本々々「密室忌」『旬』207・2016年9月よ...