【あとがき】朴裕河『引揚げ文学論序説』のあとがき
- 2017/01/23
- 12:00
移動とは居場所を失うことであり、新たな居場所を確保するための格闘のことでもある。 朴裕河「あとがき」『引揚げ文学論序説』...
【川柳連作】「たくさんなでてやる」『おかじょうき』2016年11月号
- 2017/01/22
- 21:42

川柳のあたまたくさんなでてやる卵も死も肺も火も煙も液体ソーシャルネットワークサービスのなかの裸族 怒鳴るの?読むの?問うの?繁るの?お、おまえは「本のひとだな」の問い 「はい」という答え 柳本々々「たくさんなでてやる」『おかじょうき』2016年11月号 *【『組』守田啓子 選・佳作】いっちょくせんに並ぶ犬/巨人/月 柳本々々【『反る』奈良一艘 選・佳作】いきがった動詞は助詞に殺される 柳本々...
【短歌連作】「孤独の練習」『かばん』2016年11月号
- 2017/01/22
- 17:30

【詞書】わからないなら、わからないでも良い。 森博嗣靴なんていらない場所のやわらかさかたさふがいなさいたさはげしさ嵐の日に暴食するのはなんでだろうグラタン苺タルトハンバーグ「ゴミのような人生だったと死ぬ間際泣かないといいな」真顔で聞いてる(ゴミ捨て場の黄色い網でもし俺が捕らえられたら痛いだろうな)そんなにもとがった靴をはいてるが幽霊なんだろ 聞くと頷く(どうしてはだしでねころんでいるのか理解ができ...
【お知らせ】書評「転校生は助詞まみれ-小池正博句集『転校生は助詞まみれ』評」『豈』59号・2016年12月
- 2017/01/22
- 16:27

『豈』59号(2016年12月)に、書評として「転校生は助詞まみれ-小池正博句集『転校生は助詞まみれ』評」を寄稿しました。小池正博さんの川柳を考えることって、自分にとっては川柳ってなんだろうって考えることにもつながっているんですね。で、さいきん思っているのが、川柳っていうのは、助詞の問題なんじゃないかっていうことです。これは樋口由紀子さんの知見によっているんですが、意味内容も大事なんだけれども、意味内容を...
【お知らせ】第三回攝津幸彦賞作品論「俳句の剥き身-夏木久「呟き(Twitter)クロニクル」を読む-」『豈』59号・2016年12月
- 2017/01/22
- 16:08

『豈』59号(2016年12月)に、第三回攝津幸彦賞作品論として「俳句の剥き身-夏木久「呟き(Twitter)クロニクル」を読む-」を寄稿しました。攝津幸彦さんのことを考えることはたぶんじぶんにとっては俳句を剥いたあとのことを考えることにちかい気がするんですよね。〈剥け俳句〉とはなにか、ということです。それはある種、とってもびんかんで、イリーガルで、いたいたしい、なにかのようなものなんですが、その俳句の剥き身の...
【川柳連作】「ゴジラ忌」『川柳の仲間 旬』208号・2016年11月号
- 2017/01/22
- 15:40

眼のように花火のように煮るように戸を閉めたあとの顔が凄いトランクに鮭詰められるだけ詰めて新宿紀伊國屋書店本店に大量に浮くブラウン管ハチ公の前具体的にかかる呪い川柳の形態変化血を零し高品質なぼんやりを買う排水溝に吸い込まれゆくゴジラ幼生試写室のまん中胚胎するゴジラ誤っておかーさーんというゴジラ 柳本々々「ゴジラ忌」『川柳の仲間 旬』208号・2016年11月号 *ずっと真っ暗なでんしゃにのって女...
【川柳連作】「川合大祐に尋ねる」『おかじょうき』2016年10月号
- 2017/01/21
- 22:25

タミヤ製もかめはめ波も写真もかっこいい虫を捕るんじゃないよこの次元ではドラえもんがミサイルみたいに燃えながら八月六日九日九月二日の野比のび太川合大祐に尋ねる「ぐびゃら」の訳を 柳本々々「川合大祐に尋ねる」『おかじょうき』2016年10月号 *【『勢』熊谷冬鼓 選・天位】最初から天皇最後まで天皇 柳本々々【『攻める』奈良一艘 選・佳作】フルカラーの攻撃的な秋だった 柳本々々【『自由詠』むさし 選...
【短歌連作】「ぐびゃら壁」『かばん』2016年10月号
- 2017/01/21
- 22:03

【詞書】ぐびゃら岳じゅじゅべき壁にびゅびゅ挑む 川合大祐こんなにも飲み込まれたが地下鉄はかなり穏やかな遠足に続く眼をつむりてさぐりで押すシャンプーの、ヘレン・ケラーの頬伝うみずの玄関に手紙の落ちる音がしてしゃがめやりすごせ生きろ這え踊ろ「出てみてよ」ってなりゆきでなんとなく色をもたないひととの電話どんなにか軽薄に見えたことだろう神保町の雨の日の匂い「そら」「レンズ」「うずら」「エンドウ」「だいなご...
【お知らせ】「移民の練習-Sinさんの川柳を読むこと-」『川柳杜人』252号・2016年12月
- 2017/01/21
- 12:36

『川柳杜人』252号・2016年12月号に、川柳作家のSinさんの川柳を読むことをめぐる「移民の練習-Sinさんの川柳を読むこと-」を寄稿しました。以前、Sinさんがドラゴンクエストのモチーフになぞらえた川柳の連作をあげられていたことがあってそのときからなにかそれを中心に書いてみたいなと思っていたんですが、『杜人』の広瀬ちえみさんからSinさんの川柳についてなにか書いてみないかと嬉しいお言葉をいただき、これまでの『お...