【川柳連作】「I'm a Cheshire Cat」『おかじょうき』2017年3月号
- 2017/03/29
- 22:31

【川柳連作】「I'm a Cheshire Cat」『おかじょうき』2017年3月号私は魔力をもった猫なのです」台形をかかえ「おうちはどこですか」やったーとイェーイがふいに拮抗し滑り台気圧が変わるときの漏れくどいようですがくどいようですが酢 柳本々々「I'm a Cheshire Cat」『おかじょうき』2017年3月号 *【『爪』奈良一艘選・人位】けんぜんな爪なら液が溜まるとこ 柳本々々【『ずるずる』むさし選・五客】茹でるとずる...
【川柳連作】「油の瓶」『川柳の仲間 旬』210号、2017年3月号
- 2017/03/29
- 21:55

信号が錯乱してる江戸時代亜おじさんに限定された動物園世界文学を確保せよどほんとした穴も主語とか動詞とかどうでもよくて沼どうして「う゛らヴぃんじゃあや」と言うの油の瓶をポッケ に入れたまま話す誕生日ほとんど光をしていない毛深い記憶こわがる記憶飛んでいる象の背中に妻がみえ介護百人一首二〇一七骨川家 柳本々々「油の瓶」『川柳の仲間 旬』210号、2017年3月号オムレツができていくときの、ぐじゅぐじゅした...
【川柳】逮捕されたくて…(『川柳 北田辺』78号、2017年3月)
- 2017/03/29
- 21:04

逮捕されたくてずぶずぶしてみせる 柳本々々(「ずぶずぶ」くんじろう 選)日増しに太川陽介になっていく 柳本々々(「日増しに」榊陽子 選) *陛下ピンポンパン体操の時間です くんじろう森にゆく猫と流れていく毛布 榊陽子...
【お知らせ】安福望さんの個展『詩と愛と光と風と暴力ときょうごめん行けないんだの世界』
- 2017/03/29
- 02:25

安福望さんの個展『詩と愛と光と風と暴力ときょうごめん行けないんだの世界』2017年4月1日(土)~4月16日(日)会場:大阪府 NEW PURE+ Chika No Akichi時間:12:00~20:00休廊日:4月5日料金:無料この個展のタイトルに拙歌を使っていただきました。ありがとうございました。東京新聞・東京歌壇で東直子さんから選んでいただいたのが初出です。じぶんの人生をふりかえると、かなしいときもたのしいときもわらってるときもないて...
【お知らせ】「川柳は支えない-兵頭全郎・川合大祐・岩田多佳子-」『川柳カード』14号(終刊号)2017年3月
- 2017/03/29
- 01:54

『川柳カード』の終刊号に「川柳は支えない-兵頭全郎・川合大祐・岩田多佳子-」『川柳カード』(14号(終刊号)2017年3月)を書かせていただきました。今回書いてみたテーマは、〈句集)ってなんだろう、〈句集〉という単位でみるとなにがみえてくるんだろう、ということです。そこからみえてきたのは、各作者が用意する〈枠組み〉の問題でした。〈句集〉とは、作者が用意する〈枠組み〉=システムに向き合うことではないか。そ...
【お知らせ】「叢林の根っこ-安井浩司の原稿「叢林の中で」から-」『俳句新空間』7号、2017年3月
- 2017/03/29
- 00:53

今回俳句新空間に寄せられた安井浩司さんの原稿から「叢林の根っこ-安井浩司の原稿「叢林の中で」から-」(『俳句新空間』7号、2017年3月)という文章を書かせていただきました。今回、〈俳句の根っこ〉とはなんだろうということをテーマに据えて書いてみました。これはもしかしたら田島健一さんも『ただならぬぽ』や時評などで展開されている問題かもしれません。俳句が俳句であるためには、俳句が俳句になりきれないためには...
【詩】「馬場さん」『現代詩手帖』2017年4月号(廿楽順治・日和聡子(選外佳作) 選)
- 2017/03/29
- 00:17

なんなのか、ぬめるような道路をあるいていくと、あるくごとにからだがすこしずつしずんでいくようなきもち。みずの臭いは馬場さんの部屋まで続いていた。「かわのおとがする。しずかなようでときどき刃物を研ぐような音があたりいちめんひびいている。きもちがわるい」と馬場さんがいう。わたしは耳をおさえた。空気はすんでいる。ひかり。ながれこんでくる。「ひかりだとおもう」とわたしは話した。もう見捨てられるのがわかって...
【短歌】最後尾…(東京新聞・東京歌壇2017年3月26日・東直子選)
- 2017/03/29
- 00:09

最後尾車両で待ち合わせた日々や深夜にバルサン焚いている今や 柳本々々 (東京新聞・東京歌壇2017年3月26日・東直子選) *信じない 靴をそろえて待つことも靴を乱して踏み込むことも 東直子...
【短歌連作】「春の蠅」『かばん』2017年3月号
- 2017/03/13
- 18:10

「指をくわえて」だなんて言うひとだったかな春の蠅が飛ぶこの味は理解したからもういいと言ったわたしを残念におもうなにもかもきちんとかなえてあげるから雲が私に私が雲に父のメールはコオロギのコが抜けていてオロギのままで送られてくるカーテンが揺れているのはあいている窓のせいだろう父にも妬みああこれはわかっていたがちょっと今忙しいからはふられることば工場労働に向かうバスのなかこりゃいけねえやとひざがふるえる...
【短歌】『それから』の…(東京新聞・東京歌壇2017年3月12日・東直子 選)
- 2017/03/13
- 17:59

『それから』のあかいでんしゃにのりたいねたがいのからだいしきしあって 柳本々々 (東京新聞・東京歌壇2017年3月12日・東直子 選) *分けあえば食べ物甘し指摘挙手拒否指示指定座ってなさい 東直子...