【あとがき】澁澤龍彦『マルジナリア』のあとがき
- 2017/09/26
- 23:49
エドガー・ポーは本を買うとき、なるべく余白が大きくあけてあるような本を買って、読みながら思いついたことを、そこに書きこむのを楽しみにしていたという。 澁澤龍彦「単行本あとがき」『マルジナリア』...
【あとがき】石原千秋『漱石と日本の近代』のあとがき
- 2017/09/26
- 10:24
漱石は漱石らしくない。この本をまとめながら、こういう言葉が頭から離れなくなった。私たちは近代そのものを見ることはできない。鉄道というテクノロジーが現れ、それが時間厳守という行動規範となったときに、近代を目にし、それを身体化したことになる。その時、私たちは近代人になったのだ。漱石は日本近代の原型となった山の手を書き続けた。そこに現れた男や女のあり方、家族や明治民法、教育や知識人、ハビトゥスや資本主義...
【短歌】ピッチャーで…(東京新聞・東京歌壇2017年9月24日東直子 選)
- 2017/09/24
- 17:47

ピッチャーできらきらしてる液体とやさしい話あなたがたといる 柳本々々 (東京新聞・東京歌壇2017年9月24日東直子 選) *いたのって言われてしまう悲しさをでんぐりがえししながら思う 東直子...
【短歌】映画館で…(毎日新聞・毎日歌壇2017年9月18日・米川千嘉子 選)
- 2017/09/24
- 16:39

映画館で猛者(もさ)になり食うポップコーンきみはなんだかぼくを忘れる 柳本々々 (毎日新聞・毎日歌壇2017年9月18日・米川千嘉子 選) *菜の花のむかうふはりと尻揺りて大いなる無のごとき黄牛(あめうし) 米川千嘉子...
【あとがき】浅沼璞『「超」連句入門』のあとがき
- 2017/09/14
- 09:42
連句の付合で、「不即不離」とか「匂い」とか、はたまた「前句の根を切れ」とかいわれてきたものを、本書では「中層」というキーワードによってとらえ返してみました。 浅沼璞「とめがき」『「超」連句入門』...
【短歌】コンビニで…(「第114回 短歌ください(お題:引越し)穂村弘 選」『ダ・ヴィンチ』2017年10月号)
- 2017/09/07
- 12:09

ダンボールくださいのことば言えなくて包装屋さんで新品を買う 柳本々々 (「第114回 短歌ください(お題:引越し)穂村弘 選」『ダ・ヴィンチ』2017年10月号) *新品の目覚めふたりで手に入れる ミー ターザン ユー ジェーン 穂村弘...
【短歌】なくなった…(毎日新聞・毎日歌壇2017年9月4日・米川千嘉子 選)
- 2017/09/06
- 01:19

なくなった本屋あんなにぎっしりとしていたものがなくなるなんて 柳本々々 (毎日新聞・毎日歌壇・2017年9月4日・米川千嘉子 選) *絵はがきにフォービスムの緑のをんなゐてわれを見ながらポストに落ちる 米川千嘉子...