【短歌】おわおわと…/猫バスに…(東京新聞・東京歌壇2018年3月25日佐佐木幸綱・東直子 選)
- 2018/03/25
- 09:51

おわおわと町じゅう猫が鳴きはじめ丘のうえからサイレンの音 柳本々々 (東京新聞・東京歌壇2018年3月25日佐佐木幸綱 選)猫バスに乗りこみあげる嬉しさと不安と恥と尿意と別れ 柳本々々 (東京新聞・東京歌壇2018年3月25日東直子 選)...
【川柳連作】「まだ手をつないだことがない」『おかじょうき』2018年3月号
- 2018/03/23
- 19:58

マザコンのロボットがいる安心感ミサイルにまたがってするありがとう使用済み核燃料大いに笑うマチコとはまだ手をつないだことがないまよなかのまっただなかの螺子である 「まだ手をつないだことがない」『おかじょうき』2018年3月号 *【題「ほろほろ」】楽になれよと線香花火持たされる 柳本々々【題「自由吟」】隠蔽されるわたしのおっちょこちょい 柳本々々【研究吟】大空に脳の小鳥がたたかっている 柳本々...
【短歌連作と百鬼夜行短歌】「結婚」『かばん』2018年4月号
- 2018/03/21
- 01:48

結婚 柳本々々「月を降りたら電車がとてもきれいだった」あなたのてがみはとてもおもしろい新幹線がふぁんふぁん鳴って通り過ぎあたしは結婚するのだろうか「この書店、なんだか泉のなかみたい」彼には彼の病み方をして居眠りのきれいな姿勢繰り返す組まれたひじにあたまうずめて隣り合うひとの鼓動をきく車内彼が止まればたぶん彼女もラスクにチョコペンでなにか書けという手品の帽子かぶった女が平面になってゆく箱制服のおと...
【川柳連作】「俺、こっちいくわ」『川柳スパイラル』2号、2018年3月
- 2018/03/20
- 10:32

ライオンのような升目を埋めてゆく象 忘れ物をしてまた出会うこと受付で言われる「馬」という言葉「俺こっちいくわ」でちりぢりの鳥豆腐にもおまえしねよと言えますか根から生えてくる影と霧サザエさんが禿げる日本壊滅すやめたひとだけが集まるどうぶつえん真夜中に見廻りをする手の明かりちゃんと見守る鶴終わるまで 柳本々々「俺、こっちいくわ」『川柳スパイラル』2号、2018年3月...