【詩】「タニカワというひとの書いた小説」『現代詩手帖』2018年7月号、松下育男 選・須永紀子 選外佳作
- 2018/06/30
- 21:18

目黒を出たのはほんとうにそれからだったと思う目黒の外には出たことがなかったがわたしはずっとそう書いていたしその書いたものだけがわたしを目黒の外に出そうとしていたちからだった一冊の本を閉じたときタニカワというひとの書いた小説をかの女は句集と呼んだクシュウ? とわたしは言った苦しみみたいなもの?わたしはすぐどっちでもいい、ともかくすぐにこの手を引っ張ってくれと言った耐えられなかったわたしはたぶんぜんぶ...
【あとがき】柄谷行人『ダイアローグ』のあとがき
- 2018/06/14
- 18:13
ディオゲネスは真昼にランプを掲げて町中を走り「人間はいないか」と叫んでまわったという有名な伝説がある。そんな真似はしたくないが、「人間はいないか」という気持は私にもある。 柄谷行人「あとがき」『ダイアローグ』...