【詩】「猫が理由」『現代詩手帖』2018年11月号、松下育男・須永紀子 共選
- 2018/10/30
- 18:52

部屋の暗がりを散らかすようにしてもう死んだはずの猫が宙に浮きながらとっても元気に旋回していたのをあのとき僕もいっしょに見たんだ。だから僕も今泣いてもいいはずなのに僕は泣きじゃくるかの女を黙ってみていた。眼を眼で隠しながら。あのとき僕はむちゃくちゃに回る猫をみながらかの女の肩をずっと抱いていた。そのときじぶんの指のちりちり生えた指毛をみていた。俺の指毛こんなだったっけなあというかんじで。かの女がごそ...
【エッセイ】「二人連れの孤独」喜怒哀楽100号、2018年10月
- 2018/10/27
- 04:47

詠み人リレーエッセイ「二人連れの孤独」喜怒哀楽書房100号、2018年10月。大学のときずっといっしょにいた先輩Kさんのことを書きました。前回は十代のときに出会った女の子、今回は二十代のときに出会ったKさん。次の最後の回では、最後の最初に出会ったひとについて書きました。詠み人応援マガジン喜怒哀楽...