【短歌】のりべんが…(日経新聞・日経歌壇2014/1/26掲載 穂村弘選)
- 2014/03/30
- 00:59
のりべんがきらきらしつつ離れてく銀河鉄道途中下車不可 柳本々々
(日経新聞・日経歌壇2014/1/26掲載 穂村弘選)
【自(分で)解(いてみる)-聖なるのりべんを求めて-】
のりべんの死/詩についてずっとかんがえていたときにつくってみたうた。
斉藤斎藤さんの「雨の県道あるいてゆけばなんでしょうぶちまけられてこれはのり弁」という短歌ののりべんの不可逆性や宮沢賢治(をとおした杉井ギサブローさん)のアニメ『銀河鉄道の夜』などがたぶんじぶんの背景にあったとおもう。
いまみてみると下の句がすべて漢字なので、どうあがいたところで降車できない絶対性と、とりかえしのつかない不可逆性の桎梏があるように、おもう。
食べようとしたそのやさきに、ふと、手を放してしまった。あ、のりべん。でも、あたりいったいは、すごく、きらきら、してる。ぶちまけられたのりべんのせいで。銀河鉄道はものすごい速さでそのきらきらのなかをはしりぬけていく。さよなら、のりべん。
(日経新聞・日経歌壇2014/1/26掲載 穂村弘選)
【自(分で)解(いてみる)-聖なるのりべんを求めて-】
のりべんの死/詩についてずっとかんがえていたときにつくってみたうた。
斉藤斎藤さんの「雨の県道あるいてゆけばなんでしょうぶちまけられてこれはのり弁」という短歌ののりべんの不可逆性や宮沢賢治(をとおした杉井ギサブローさん)のアニメ『銀河鉄道の夜』などがたぶんじぶんの背景にあったとおもう。
いまみてみると下の句がすべて漢字なので、どうあがいたところで降車できない絶対性と、とりかえしのつかない不可逆性の桎梏があるように、おもう。
食べようとしたそのやさきに、ふと、手を放してしまった。あ、のりべん。でも、あたりいったいは、すごく、きらきら、してる。ぶちまけられたのりべんのせいで。銀河鉄道はものすごい速さでそのきらきらのなかをはしりぬけていく。さよなら、のりべん。
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