【感想】縄文の人と分けあう今朝の青 安藤なみ
- 2015/10/01
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縄文の人と分けあう今朝の青 安藤なみ
【見つけました、青】
『朝日東海柳壇』からの一句です。
ときどきちょっと不思議におもうのが、川柳においては時間を超越してもあんまりふしぎにならないということです。
ある意味で、川柳っていうのは、超時間的な文芸だということもできそうです。
たとえば小池正博さんにこんな句もあります。
雨あがりマンモス狩りに行ってくる 小池正博
安藤さんの句の「縄文」も、小池さんの「マンモス狩り」も、超時間的にあらわれているとおもうんですよね。それはかつての縄文でもマンモスでもなく、わたしたちがいまここで生きているなかでふっとあらわれた縄文やマンモスになっている。
たった17音なのに、超時間的に古代と現在がシンクロしている。そういう意味では、かんたんに恐竜を出しちゃえるアニメのような、ある意味で、ドラえもん的な文芸だということもできますよね、川柳って。
(↑非道いですね)
タイムマシンやタイムふろしきは2015年の未来になってもなかったんだけれど、いちおうそういう時間を超越できる文芸様式として現代川柳があった。そこでは縄文人とおなじ青空をみあげたり、TSUTAYAにちょっと借りていたものを返しにいくようなかんじでマンモス狩りにいったりしている。
それにですね。
わたしは実はこの安藤さんの句の「青」って川柳における有名なあの「青」への問いかけにたいする答えにもなっているんじゃないかとおもうんですよ。
この「青」だったんじゃないか。
つまり、こうです。
【問い】
ドラえもんの青を探しにゆきませんか 石田柊馬
【答え】
縄文の人と分けあう今朝の青 安藤なみ
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