【感想】秋雨やふえるわかめとコンドーム 榊陽子
- 2015/10/15
- 20:04
秋雨やふえるわかめとコンドーム 榊陽子
【ふえるわかめの認識論】
榊陽子さんの「ふるえるわかめ」『週刊俳句』からの一句です。
この連作のひとつ、おもしろいところに添え書きとして、 (なな子、社長ほか代用可)と書いてあるんですね。ですから、
秋雨やふえるわかめとコンドーム 榊陽子
だけでなく、
秋雨やふえるなな子とコンドーム
とかでもいいわけです。
もちろん「ほか」と書いてあるので、
秋雨やふえるウルトラマンとコンドーム
や
秋雨やふえるやぎもととコンドーム
もありです。
で、この榊さんの連作から川柳について考えたのは、実は川柳は、世界の絶対性ではなくて、世界の代入可能性をさがしているんじゃないかっておもったんですよ。
よく川柳っていうのはふだんの認識とはちがうチャンネルの考え方をするわけです。
そのときもうひとつの、(代用可)としての認識をみずからに課しているわけです。
世界にはこういうものもあてはまるし、こんなのもあてはまるだろう。川柳定型からならそういうことをかんがえることができる。
それが川柳なんじゃないかともおもうわけです。
だから川柳って枠組み自体が〈ふえるわかめの認識〉なんじゃないかとおもうわけです。
たとえばよく引用される柊馬さんの、
妖精は酢豚に似ている絶対似ている 石田柊馬
妖精が酢豚に似ているかどうかが問題なのではなく、川柳という枠組みにおいてそうした代替可能性的認識ができてしまったことが〈酢豚的=ふえるわかめ的=川柳的認識〉だったとおもうんですよ。
つまり、この句は、〈絶対〉の句ではなく、〈代替〉の句だったのではないかとわたしはおもうんです。
そういう榊さんの連作としての川柳が、ひとつの川柳論になっているんじゃないかともおもったわけです。
なんでやねんうち新宿のわかめやし 榊陽子
【ふえるわかめの認識論】
榊陽子さんの「ふるえるわかめ」『週刊俳句』からの一句です。
この連作のひとつ、おもしろいところに添え書きとして、 (なな子、社長ほか代用可)と書いてあるんですね。ですから、
秋雨やふえるわかめとコンドーム 榊陽子
だけでなく、
秋雨やふえるなな子とコンドーム
とかでもいいわけです。
もちろん「ほか」と書いてあるので、
秋雨やふえるウルトラマンとコンドーム
や
秋雨やふえるやぎもととコンドーム
もありです。
で、この榊さんの連作から川柳について考えたのは、実は川柳は、世界の絶対性ではなくて、世界の代入可能性をさがしているんじゃないかっておもったんですよ。
よく川柳っていうのはふだんの認識とはちがうチャンネルの考え方をするわけです。
そのときもうひとつの、(代用可)としての認識をみずからに課しているわけです。
世界にはこういうものもあてはまるし、こんなのもあてはまるだろう。川柳定型からならそういうことをかんがえることができる。
それが川柳なんじゃないかともおもうわけです。
だから川柳って枠組み自体が〈ふえるわかめの認識〉なんじゃないかとおもうわけです。
たとえばよく引用される柊馬さんの、
妖精は酢豚に似ている絶対似ている 石田柊馬
妖精が酢豚に似ているかどうかが問題なのではなく、川柳という枠組みにおいてそうした代替可能性的認識ができてしまったことが〈酢豚的=ふえるわかめ的=川柳的認識〉だったとおもうんですよ。
つまり、この句は、〈絶対〉の句ではなく、〈代替〉の句だったのではないかとわたしはおもうんです。
そういう榊さんの連作としての川柳が、ひとつの川柳論になっているんじゃないかともおもったわけです。
なんでやねんうち新宿のわかめやし 榊陽子
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