【短歌】窓にある…/ウィンドウズ…(「第四六三回 公募短歌館・加藤治郎選・特選/香川ヒサ選・秀逸」『角川短歌』2015年11月号)
- 2015/10/24
- 20:17
窓にあるきみの指紋を消せないで今回の生を終える気がする 柳本々々
(「第四六三回 公募短歌館・加藤治郎選・特選」『角川短歌』2015年11月号)
ウィンドウズ150くらいになったら逢おうよっていわれてる午後 柳本々々
(「第四六三回 公募短歌館・香川ヒサ選・秀逸」『角川短歌』2015年11月号)
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加藤治郎さん、香川ヒサさんからていねいな選評を頂きました。ありがとうございました。
【加藤治郎さんから頂いた選評】「今回の生」が主題である。何回もある生の中の「今回の生」なのである。それは輪廻転生というよりは、再生可能なデジタル化した生のように思われる。窓にあるきみの指紋は、アナログ的であり、そこにある一回きりのものだ。それを消せないで終えるだろう生に、かすかな無力感がある。
【香川ヒサさんから頂いた選評】「ウィンドウズ150」は三百年先。軽く明るいジョークゆえ一層心はひりひり傷むのだ。
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第61回角川短歌賞の予選を通過していました。ありがとうございました。応募した作品タイトルは「非パフェからパフェへ」でした。〈非パフェ〉から〈パフェ〉へ向かう物語でした。
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ぼくたちの詩にふさわしい嘔吐あれ指でおさえる闇のみつばち 加藤治郎
ああでなくかうでありけりこの朝紅茶に入れしミルクの量は 香川ヒサ
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