【こわい川柳 第百話】すべての川柳はちかい
- 2015/11/02
- 01:30
ねえ、この時間、そこに立ってる人間はあなただけなのよ? あなたがそこを動かない限り、誰一人そこには立てないの。そしてそこから私を見られるのはあなただけ! (適当な場所を指し)仮にあっちから私を見てる人がいても、あの人は、あなたが見ている私は絶対見れないの! 倉持裕『ワンマン・ショー』
川柳ってこわいよなっていうことをふだんから思っていてですね(もちろん倉阪鬼一郎さんの『怖い俳句』の影響も多分にあります)。
ちょっと狂気にちかいぶぶんもあるし。認識のチャンネルもちがうところがある。
ほんというとたぶん、すべての川柳はこわいようなきがするんです。
これは一般的な、川柳は笑いの文芸だっていうところのまったくの反対になってしまうんだけれど、でもわたしはそうおもうんです。
危ない文芸だなこれは、って。
ただその〈こわさ〉にもいろいろあるんですね。
いまわたしがその句を前にして〈どこから〉読むかという問題がある。
その場所、みるスポットによって、その句の〈こわさ/怖さ/強さ〉が変わってくる。
つまり、川柳はつねに〈読みの遠近法〉が問われているのかなっておもうんです。
ちかづけばこわい場合もあるし、とおければわらえる場合もある。
それはじぶんがそのとき〈どこ〉に立っているかによる。
だから、あなたとわたしでは〈こわさ〉がちがう。
それが〈川柳のこわさ〉のおもしろさなのかなっておもいます。
ほんとうに、いまそこに立てるのはあなただけってことを川柳はおしえてくれる。そしていまそこにしか立てないからこそ、あなたにはそれまでだれもみえなかった句の〈貌(かお)〉がみえてしまう場合もあるはずなんです。
うまくみえなかったら、とおく離れてみればいいとおもうし、ぎゃくに、いきなり句にちかづいていってみてしまうのもありだとおもうんですよ。
そういう遠近法で〈こわい川柳〉っていうのはいつも成り立ってるんじゃないかなっておもってるんです。
だから、真夜中にときどき、おもむろに近づき過ぎてみたりも、するんですよ。
そうするとなにがわかるかというと、
近すぎて死んだひとかもわからない 柳本々々
川柳ってこわいよなっていうことをふだんから思っていてですね(もちろん倉阪鬼一郎さんの『怖い俳句』の影響も多分にあります)。
ちょっと狂気にちかいぶぶんもあるし。認識のチャンネルもちがうところがある。
ほんというとたぶん、すべての川柳はこわいようなきがするんです。
これは一般的な、川柳は笑いの文芸だっていうところのまったくの反対になってしまうんだけれど、でもわたしはそうおもうんです。
危ない文芸だなこれは、って。
ただその〈こわさ〉にもいろいろあるんですね。
いまわたしがその句を前にして〈どこから〉読むかという問題がある。
その場所、みるスポットによって、その句の〈こわさ/怖さ/強さ〉が変わってくる。
つまり、川柳はつねに〈読みの遠近法〉が問われているのかなっておもうんです。
ちかづけばこわい場合もあるし、とおければわらえる場合もある。
それはじぶんがそのとき〈どこ〉に立っているかによる。
だから、あなたとわたしでは〈こわさ〉がちがう。
それが〈川柳のこわさ〉のおもしろさなのかなっておもいます。
ほんとうに、いまそこに立てるのはあなただけってことを川柳はおしえてくれる。そしていまそこにしか立てないからこそ、あなたにはそれまでだれもみえなかった句の〈貌(かお)〉がみえてしまう場合もあるはずなんです。
うまくみえなかったら、とおく離れてみればいいとおもうし、ぎゃくに、いきなり句にちかづいていってみてしまうのもありだとおもうんですよ。
そういう遠近法で〈こわい川柳〉っていうのはいつも成り立ってるんじゃないかなっておもってるんです。
だから、真夜中にときどき、おもむろに近づき過ぎてみたりも、するんですよ。
そうするとなにがわかるかというと、
近すぎて死んだひとかもわからない 柳本々々
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