【短歌】下の句の…(毎日新聞・毎日歌壇2015年11月30日・加藤治郎 選)
- 2015/11/30
- 19:33
下の句の謀叛がおきて上の句が七七になる 未来はすてき 柳本々々
(毎日新聞・毎日歌壇2015年11月30日・加藤治郎 選)
【時間の放流】
加藤治郎さんにこんな歌があるんです。
アトミックボム、ごめんなさいとアメリカの少年が言うほほえみながら 加藤治郎
(毎日歌壇2015年1月5日・選者新年詠)
加藤さんにこんな歌があって、で、この短歌ってこの歌のなかで時間が転流してるとおもうんですよ。
「アトミックボム」「ごめんなさい」「アメリカの少年」、この三つが〈揃い踏み〉しつつも歴史的時間軸としてはそれぞれズレている歌なんではないかとおもうんです。
「アトミックボム」というアメリカ側からの呼称、「ごめんなさい」という謝罪(日本語)、「アメリカの少年」という戦後世代(ポスト戦後世代?)、「ごめんなさい」と「ほほえみながら」のズレ。
なにかが揃っているようなんだけれども、なにかがズレている。
でも、そのズレのなかで、それでも歴史的事象がそろっていくのが〈いま・ここ〉という時間軸だとおもうんですよ。
だから、ほんとうの「アトミックボム」とか、ほんとうの〈謝罪〉とかはなくて、〈いま・ここ〉でズレながらも進行されていく歴史的事象がある。
その時間が転流しつつも、ひとつの点(ドット)に収束されるしゅんかんを描くのが、定型というパッケージングなんじゃないかとおもうんですよ。
やさしくしてよと戦うチビのウルトラマン 佐藤みさ子
(毎日新聞・毎日歌壇2015年11月30日・加藤治郎 選)
【時間の放流】
加藤治郎さんにこんな歌があるんです。
アトミックボム、ごめんなさいとアメリカの少年が言うほほえみながら 加藤治郎
(毎日歌壇2015年1月5日・選者新年詠)
加藤さんにこんな歌があって、で、この短歌ってこの歌のなかで時間が転流してるとおもうんですよ。
「アトミックボム」「ごめんなさい」「アメリカの少年」、この三つが〈揃い踏み〉しつつも歴史的時間軸としてはそれぞれズレている歌なんではないかとおもうんです。
「アトミックボム」というアメリカ側からの呼称、「ごめんなさい」という謝罪(日本語)、「アメリカの少年」という戦後世代(ポスト戦後世代?)、「ごめんなさい」と「ほほえみながら」のズレ。
なにかが揃っているようなんだけれども、なにかがズレている。
でも、そのズレのなかで、それでも歴史的事象がそろっていくのが〈いま・ここ〉という時間軸だとおもうんですよ。
だから、ほんとうの「アトミックボム」とか、ほんとうの〈謝罪〉とかはなくて、〈いま・ここ〉でズレながらも進行されていく歴史的事象がある。
その時間が転流しつつも、ひとつの点(ドット)に収束されるしゅんかんを描くのが、定型というパッケージングなんじゃないかとおもうんですよ。
やさしくしてよと戦うチビのウルトラマン 佐藤みさ子
- 関連記事
スポンサーサイト
- テーマ:短歌
- ジャンル:小説・文学
- カテゴリ:々々の短歌