【お知らせ】「【短詩時評 第11巻】Welcome to the Hotel Nejimaki -『川柳ねじまき』第2号を読む-」『BLOG俳句新空間 第35号』
- 2016/01/23
- 13:02
『 BLOG俳句新空間 第35号』にて「【短詩時評 第11巻】Welcome to the Hotel Nejimaki -『川柳ねじまき』第2号を読む-」という文章を載せていただきました。『BLOG俳句新空間』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
「ねえ、いい」と女は僕の言葉をぴしゃっと遮(さえぎ)るようにして言った。「あれこれと考えるのはやめなさいよ。むずかしいことを考えるのはやめて、からっぽになればいいのよ。温かい春の昼下がりに柔らかな泥の中にごろんと寝ころんでいるみたいに」
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』
ひとって、二回会うと、そのひとのことがなんとなくわかるのかなって思うんですね。
ともかく、二回会ってみる。そうするとそのひとのやりかたとかしぐさや表情がなんとなくわかってくる。
そのひとと仲良くなりたければ、二回、こんにちはとさようならを、言えば、いい。
で、『川柳ねじまき』は2号目なんですね。1号・2号と読んできて思ったのが、〈読者に対する誘いかけ〉がすごくいっぱいある雑誌だということです。〈川柳ってたのしいでしょう?〉っていう仕掛けがたくさんあるんですね。しかもそういうたのしさみたいのをメンバーのひとりひとりがそれぞれのやり方で発している。川柳ってこんなこともできるし、こんなこともできるかもしれない、っていう感覚ですね。
その感覚が2号を読んで、わたしが川柳ねじまきと二度会って、感じたことだったんですよ。
で、それは、ふっと思い出したのだけれど、わたしがなかはられいこさんの句集『脱衣場のアリス』を買ってはじめて読んだときの感覚に近いのではないかと思います。
えっ、川柳ってこんなこともしていいんだ、っていうそっちょくな驚きです。あっいいな、こんなこともできるんだ、うらやましいな、と。
あのときの『脱衣場のアリス』ショックが、『川柳ねじまき』にはいろんなかたちで埋め込まれているんじゃないかなって思いました。
ひとって、なんでもないようなかんじで、運命のひととであったりしているけれど、でも実はそこには運命のひとが仕掛けた〈仕掛け〉があるのかもしれないですよね。
でも、それにはまるのも、運命なんだと、おもう。
両足をぶらぶらさせて待つ返事 中川喜代子
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
「ねえ、いい」と女は僕の言葉をぴしゃっと遮(さえぎ)るようにして言った。「あれこれと考えるのはやめなさいよ。むずかしいことを考えるのはやめて、からっぽになればいいのよ。温かい春の昼下がりに柔らかな泥の中にごろんと寝ころんでいるみたいに」
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』
ひとって、二回会うと、そのひとのことがなんとなくわかるのかなって思うんですね。
ともかく、二回会ってみる。そうするとそのひとのやりかたとかしぐさや表情がなんとなくわかってくる。
そのひとと仲良くなりたければ、二回、こんにちはとさようならを、言えば、いい。
で、『川柳ねじまき』は2号目なんですね。1号・2号と読んできて思ったのが、〈読者に対する誘いかけ〉がすごくいっぱいある雑誌だということです。〈川柳ってたのしいでしょう?〉っていう仕掛けがたくさんあるんですね。しかもそういうたのしさみたいのをメンバーのひとりひとりがそれぞれのやり方で発している。川柳ってこんなこともできるし、こんなこともできるかもしれない、っていう感覚ですね。
その感覚が2号を読んで、わたしが川柳ねじまきと二度会って、感じたことだったんですよ。
で、それは、ふっと思い出したのだけれど、わたしがなかはられいこさんの句集『脱衣場のアリス』を買ってはじめて読んだときの感覚に近いのではないかと思います。
えっ、川柳ってこんなこともしていいんだ、っていうそっちょくな驚きです。あっいいな、こんなこともできるんだ、うらやましいな、と。
あのときの『脱衣場のアリス』ショックが、『川柳ねじまき』にはいろんなかたちで埋め込まれているんじゃないかなって思いました。
ひとって、なんでもないようなかんじで、運命のひととであったりしているけれど、でも実はそこには運命のひとが仕掛けた〈仕掛け〉があるのかもしれないですよね。
でも、それにはまるのも、運命なんだと、おもう。
両足をぶらぶらさせて待つ返事 中川喜代子
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