【あとがき】古田亮『狩野芳崖・高橋由一』のあとがき
- 2016/02/03
- 14:15
私語を少々差し挟ませていただきたい。高校卒業後、何をしたいということもなく二年浪人した。その間、自宅が火事で全焼するというアクシデントもあった。その時のことは今は昔の話に過ぎないが、私にとって、本書がはじめての単著となる四十代を迎えて思うことは、今が浪人時代かもしれないという実感である。この書をすべての読者に受け入れて貰おうと、そう思った瞬間に、同時にそうではないと感じたのだ。入学試験に怯えつつ、しかし勉強するしかないのだという浪人時代の気持ち。結局、その気持ちを持続できるかどうかなのだ。入試は、ほんとうのところいつまでもやってこないのかもしれない。
古田亮「あとがき」『狩野芳崖・高橋由一』
古田亮「あとがき」『狩野芳崖・高橋由一』
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