【お知らせ】「【短詩時評 15校目】蟻まみれの転校生が読む『桜前線開架宣言』-ブルデュー・山田航・小池正博-」『BLOG俳句新空間 第39号』
- 2016/03/18
- 12:00
『BLOG俳句新空間 第39号』にて「【短詩時評 15校目】蟻まみれの転校生が読む『桜前線開架宣言』-ブルデュー・山田航・小池正博-」という文章を載せていただきました。『BLOG俳句新空間』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
今回は山田航さんの現代短歌のアンソロジー『桜前線開架宣言』と小池正博さんの句集『転校生は蟻まみれ』の二冊をめぐっていろいろ考えてみました。さいきんこの二冊をずっと持ち歩きながら、読んでは考え・読んでは考えしていたんですね。
で、どちらの本もじぶんにとってはとてもおもしろいしなにかじぶんがこれまで抱えてきた問題をちがったかたちで照らしてくれるものだったんですが、なによりもこの二冊がわたしを照らしてくれたのが、《おまえはどこからいったい語っているんだ》という問題だったようにおもうんです。
この《どこ》から語っているのかという問題は言葉をつかう限り、ぜったいに逃れられない問題だとおもうんです。おもうんだけれども、これは答えをひとつだして終わる問題ではない。いまここから語っています、と答えをだしたところで、明日の答えはもう違っているはずです。なぜならわたしたちは日々変化していく《場》のなかで言葉をつかっているからです。わたしがおなじ場所にいても、わたしたちを取り巻く《場》の状況は変化していく。
そのことをたえず喚起しよう、それは(しんどいかもしれないけれど)あなたが言葉を意識するにんげんであるならば死ぬまで喚起しつづけよう。それがこのにさつがわたしに教えてくれたことだったとおもいます。
あなたは、きょうのいま、どこからことばを語っていますか?
打ち切りの漫画のやうに前向きな言葉を交はし終電に乗る 山田航
君がよければ川の話をはじめよう 小池正博
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
今回は山田航さんの現代短歌のアンソロジー『桜前線開架宣言』と小池正博さんの句集『転校生は蟻まみれ』の二冊をめぐっていろいろ考えてみました。さいきんこの二冊をずっと持ち歩きながら、読んでは考え・読んでは考えしていたんですね。
で、どちらの本もじぶんにとってはとてもおもしろいしなにかじぶんがこれまで抱えてきた問題をちがったかたちで照らしてくれるものだったんですが、なによりもこの二冊がわたしを照らしてくれたのが、《おまえはどこからいったい語っているんだ》という問題だったようにおもうんです。
この《どこ》から語っているのかという問題は言葉をつかう限り、ぜったいに逃れられない問題だとおもうんです。おもうんだけれども、これは答えをひとつだして終わる問題ではない。いまここから語っています、と答えをだしたところで、明日の答えはもう違っているはずです。なぜならわたしたちは日々変化していく《場》のなかで言葉をつかっているからです。わたしがおなじ場所にいても、わたしたちを取り巻く《場》の状況は変化していく。
そのことをたえず喚起しよう、それは(しんどいかもしれないけれど)あなたが言葉を意識するにんげんであるならば死ぬまで喚起しつづけよう。それがこのにさつがわたしに教えてくれたことだったとおもいます。
あなたは、きょうのいま、どこからことばを語っていますか?
打ち切りの漫画のやうに前向きな言葉を交はし終電に乗る 山田航
君がよければ川の話をはじめよう 小池正博
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