【あとがき】野間幸恵『WATER WAX』のあとがき
- 2016/03/20
- 15:46
俳句を考える時はいつも迷路に飛びこむようで、入口も出口も目的も目標も無いのです。有るのは〈5・7・5〉だけで、それは広大な平野に置かれた椅子のようだったり、夏の空に広がる入道雲のようだったりします。ほとんどの結果は夕暮れをとぼとぼ歩いている状況で終わりますが、きな粉餅のきな粉のように言葉まみれになり、なんの秩序も見い出せなくても、言葉たちはいつもやさしい問いかけと謎だらけの答えを用意してくれるので、また巨大迷路に飛び込んでしまいます。言葉で描く世界はいつもミラクル。最大と最小が隣り合わせ。その中で「私」など全く不要で、大切なのは「関係性」だと思っています。混沌の中の清潔が描けていれば…。
野間幸恵「hitokoto」『WATER WAX』
野間幸恵「hitokoto」『WATER WAX』
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