【短歌】雪なのに…(「第97回 短歌ください(お題:雪)穂村弘 選」『ダ・ヴィンチ』2016年5月号)
- 2016/04/06
- 07:21
雪なのに雪なのに雪なのに雪みないで帰るほどに疲れて 柳本々々
(「第97回 短歌ください(お題:雪)穂村弘 選」『ダ・ヴィンチ』2016年5月号)
【クリストファーへ向かう】
以前、ほんとに忙しすぎて睡眠の時間がぜんぜん取れないときがあって、そういうときってひとってともかく〈理論〉から時間をつくりだそうとするんですね、新しく。
つまり、どういうことかっていうと、あの「どんなに足の速いアキレスも亀には追いつけない」っていうパラドックスってあるじゃないですか、あれを使って時間をふやすんですね。あれを使うと時間がふえるんですよ、だから睡眠時間もふえるんです。
やり方は、あのアキレスと亀の話は、アキレスが少し移動すると亀も少し移動しているわけだから、アキレスが走るたびに亀もすこしだけ前に進んでいる、だからアキレスが追いかけ続ける限りぜったいに亀にはおいつけないって話でしたよね、それをつかうんです。
目覚まし時計をですね、たとえ次の日六時に起きるなら、六時にセットしないで、一時にセットするんですよ、すると一時に起きますね、そうすると六時までまだ五時間もあるわけですよ、五時間もねむれるわけです、だから次に二時にセットしておくわけですよ、するとまた起きる、まだ四時間もあるわけですよ、そうやって六時まで刻んでセットしていくと、どんどん時間がふえて、どんどん眠れる時間がふえていくわけですよ、素晴らしいわけですよ、ええと、たぶん、ノイローゼだったんじゃないかな。
クリストファーと名付けたくなる朝がある 魚澄秋来
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