【あとがき】『セレクション歌人26 東直子集』のあとがき
- 2016/04/13
- 18:10
短歌をつくるようになって、十数年がたった。短歌と関わることで私は変わっただろうか。……変わった、と思う。とても変わった、と。短歌をつくらなければ知らなかった自分に出会えたということを、確実に感じている。いつの間にか、淋しくておそろしい、わけのわからない自分が、短い言葉の裏に立っていた。気がつかなかったこころ。とりもどすことのできない気持。歌は、生々しい。それほど現実のできごとに即して作っているわけではないのだが、そこにこめられたその時の気持が生々しいのである。
書きとめなくては、伝えておかなくては、忘れてしまう、消えてしまう。ともすると、とりとめもなく時間を流してしまうけれど、今しか書けないものを、ふんばって書いておかなくては。
東直子「あとがき」『セレクション歌人26 東直子集』
書きとめなくては、伝えておかなくては、忘れてしまう、消えてしまう。ともすると、とりとめもなく時間を流してしまうけれど、今しか書けないものを、ふんばって書いておかなくては。
東直子「あとがき」『セレクション歌人26 東直子集』
- 関連記事
-
-
【あとがき】松木秀『5メートルほどの果てしなさ』のあとがき 2014/07/15
-
【あとがき】荻原裕幸『あるまじろん』のあとがき 2014/07/20
-
【あとがき】片山杜秀『ゴジラと日の丸』のあとがき 2016/10/03
-
【あとがき】五味渕典嗣『言葉を食べる』のあとがき 2014/03/30
-
【あとがき】大野左紀子『アート・ヒステリー』のあとがき 2014/03/30
-
スポンサーサイト
- テーマ:詩・ことば
- ジャンル:小説・文学
- カテゴリ:あとがき選集