【短歌】サボテンの…(東京新聞・東京歌壇2016年5月15日・東直子 選)
- 2016/05/15
- 18:28
サボテンの配置を変えた。背中から抱擁をするやり方もある 柳本々々
(東京新聞・東京歌壇2016年5月15日・東直子 選)
【いっしょに暮らすれんしゅう】
サボテンを昔プレゼントとしてもらったことがあって、そのときちょっとおもしろいなと思ったのが、サボテンって針がたくさんついていて触れれば痛いわけですよね。そういう傷つく可能性というか、可傷性を贈り物としてもらうっておもしろいなっておもったんです。
なにかこうダイレクトにサボテンそのものにつっこんでいけるわけではなくて、針があるからいつも距離を用意して、おなじ部屋にいっしょにいる。しかもあんまり水をやりすぎてもいけない。つまり、接しすぎてもいけない。わすれたように、放置しなければいけない。そういうつねに〈他人化〉していく作業がサボテンにはあるなって思ったんです。サボテンって他人とどう暮らしていくかのひとつのれんしゅうになるんじゃないかって。
他人と暮らすためのエチュード。
屠蘇散や夫は他人なので好き 池田澄子
片隅で生きてきマした生キましたタツノオトシゴしずかに乾く 東直子
(東京新聞・東京歌壇2016年5月15日・東直子 選)
【いっしょに暮らすれんしゅう】
サボテンを昔プレゼントとしてもらったことがあって、そのときちょっとおもしろいなと思ったのが、サボテンって針がたくさんついていて触れれば痛いわけですよね。そういう傷つく可能性というか、可傷性を贈り物としてもらうっておもしろいなっておもったんです。
なにかこうダイレクトにサボテンそのものにつっこんでいけるわけではなくて、針があるからいつも距離を用意して、おなじ部屋にいっしょにいる。しかもあんまり水をやりすぎてもいけない。つまり、接しすぎてもいけない。わすれたように、放置しなければいけない。そういうつねに〈他人化〉していく作業がサボテンにはあるなって思ったんです。サボテンって他人とどう暮らしていくかのひとつのれんしゅうになるんじゃないかって。
他人と暮らすためのエチュード。
屠蘇散や夫は他人なので好き 池田澄子
片隅で生きてきマした生キましたタツノオトシゴしずかに乾く 東直子
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