【お知らせ】「【短詩時評 21だ(よ)】最果タヒと木下龍也-きみの『夜空はいつでも最高密度の青色だ』から、『きみを嫌いな奴はクズだよ』。-」『BLOG俳句新空間 第45号』
- 2016/06/24
- 07:00
『 BLOG俳句新空間 第45号』にて「【短詩時評 21だ(よ)】最果タヒと木下龍也-きみの『夜空はいつでも最高密度の青色だ』から、『きみを嫌いな奴はクズだよ』。-」という文章を載せていただきました。『BLOG俳句新空間』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
あの虹を無視したら撃てあの虹に立ち止まったら撃つなゴジラを 木下龍也
木下龍也さんの歌集タイトルの『きみを嫌いな奴はクズだよ』っていうのはとてもインパクトのあるタイトルだと思うんですが、考えてみるとこれは近代的な枠組みのタイトルではないと思うんですね。
たとえば、石川啄木の歌集だったら『一握の砂』だけれど、これは名詞に回収されていくタイトルです。近代文学=短歌は〈内面〉を重視するので、こうした〈名詞〉という装置によって読者はいろんな解釈をこの歌集に盛り込んでいくことができる。その意味では意外なことに穂村弘さんの『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』も〈近代的な枠組み〉としてのタイトル設定ではあったと思うんです。ここでは〈まみ〉の〈内面〉が測位されていく。
だからさいきんの木下さんの歌集、これは第一歌集のタイトル『つむじ風、ここにあります』や瀬戸夏子さんの歌集のタイトル『そのなかに心臓をつくって住みなさい』というタイトルのあり方っておもしろいなと思うんですね。こういうタイトルのベクトルは(岡井隆さんや佐佐木幸綱さんにあることはあるんだけれど)ほとんどこれまで無かったのではないかと思うからです。
さいきん、そんなことを考えています。書物から考える短歌を。電源のコンセントのようなものとしての歌集を。
しましまの 花柄の すべる 不思議に いく みんな大好きみんな死ね 瀬戸夏子
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
あの虹を無視したら撃てあの虹に立ち止まったら撃つなゴジラを 木下龍也
木下龍也さんの歌集タイトルの『きみを嫌いな奴はクズだよ』っていうのはとてもインパクトのあるタイトルだと思うんですが、考えてみるとこれは近代的な枠組みのタイトルではないと思うんですね。
たとえば、石川啄木の歌集だったら『一握の砂』だけれど、これは名詞に回収されていくタイトルです。近代文学=短歌は〈内面〉を重視するので、こうした〈名詞〉という装置によって読者はいろんな解釈をこの歌集に盛り込んでいくことができる。その意味では意外なことに穂村弘さんの『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』も〈近代的な枠組み〉としてのタイトル設定ではあったと思うんです。ここでは〈まみ〉の〈内面〉が測位されていく。
だからさいきんの木下さんの歌集、これは第一歌集のタイトル『つむじ風、ここにあります』や瀬戸夏子さんの歌集のタイトル『そのなかに心臓をつくって住みなさい』というタイトルのあり方っておもしろいなと思うんですね。こういうタイトルのベクトルは(岡井隆さんや佐佐木幸綱さんにあることはあるんだけれど)ほとんどこれまで無かったのではないかと思うからです。
さいきん、そんなことを考えています。書物から考える短歌を。電源のコンセントのようなものとしての歌集を。
しましまの 花柄の すべる 不思議に いく みんな大好きみんな死ね 瀬戸夏子
- 関連記事
スポンサーサイト
- テーマ:読書感想文
- ジャンル:小説・文学
- カテゴリ:々々のお知らせ