【お知らせ】「【短詩時評 23枚目】絵と短歌の国のアリス ながや宏高×柳本々々-描くこと・読むこと・歌うことのあわいで-」『BLOG俳句新空間 第47号』
- 2016/07/22
- 21:07
『 BLOG俳句新空間 第47号』にて「【短詩時評 23枚目】絵と短歌の国のアリス ながや宏高×柳本々々-描くこと・読むこと・歌うことのあわいで-」という文章を載せていただきました。『BLOG俳句新空間』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
玄関に靴を浮かべて沈まないように祈ってから乗りこんだ ながや宏高
本文ではながや宏高さんと〈絵と短歌〉をめぐるお話をさせていただいたんですが、ちょっとここではながやさん自身の短歌のお話を。
ながやさんからいただいた今回の自選歌からも思ったんですが、ながやさんの歌には、世界とすれ違いながらもそれでもつながろうとしていくそういう〈すれ違い〉と〈つながり〉の風景がぎりぎりのラインであらわれているように思うんですよね。
たとえば上の歌だと「浮かべ」た「靴」は「沈まないように」と祈っても「沈」むかもしれませんよね。語り手は世界とすれ違うかもしれない。世界は語り手を拒絶するかもしれない。靴は沈むかもしれない。
でも、それでも、やってみる。「祈って」みる。「乗りこん」でみる。この歌が「だ」という少し強めの音で終わっているように世界に対して少し強めにこちら側からも働きかけてみる。そういうそれでもつながろうとする風景がながやさんの歌にはあるのかなって思います。
ちなみにこの歌って定型の使い方が非常におもしろくて、
沈まない/ように祈って/から乗りこんだ
と定型をまたがりながらとぎれとぎれに浮きつし沈みつそれでもなんとか最後までたどりつく歌なんですよ。
それでも最後までたどりつくこと。それが、希望だと、おもう。
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
玄関に靴を浮かべて沈まないように祈ってから乗りこんだ ながや宏高
本文ではながや宏高さんと〈絵と短歌〉をめぐるお話をさせていただいたんですが、ちょっとここではながやさん自身の短歌のお話を。
ながやさんからいただいた今回の自選歌からも思ったんですが、ながやさんの歌には、世界とすれ違いながらもそれでもつながろうとしていくそういう〈すれ違い〉と〈つながり〉の風景がぎりぎりのラインであらわれているように思うんですよね。
たとえば上の歌だと「浮かべ」た「靴」は「沈まないように」と祈っても「沈」むかもしれませんよね。語り手は世界とすれ違うかもしれない。世界は語り手を拒絶するかもしれない。靴は沈むかもしれない。
でも、それでも、やってみる。「祈って」みる。「乗りこん」でみる。この歌が「だ」という少し強めの音で終わっているように世界に対して少し強めにこちら側からも働きかけてみる。そういうそれでもつながろうとする風景がながやさんの歌にはあるのかなって思います。
ちなみにこの歌って定型の使い方が非常におもしろくて、
沈まない/ように祈って/から乗りこんだ
と定型をまたがりながらとぎれとぎれに浮きつし沈みつそれでもなんとか最後までたどりつく歌なんですよ。
それでも最後までたどりつくこと。それが、希望だと、おもう。
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