【お知らせ】「フシギな短詩・8月のまとめ」『およそ日刊「俳句新空間」』
- 2016/08/30
- 00:23
今月をとおしてちょっと印象的だと思ったのが、短詩ってたえず〈外〉にひらいているんじゃないかということです。
外との往還。それが8月の今回のテーマだったのかなと。
それは飯田有子さんの歌の助けを求める主体からはじまって、柳谷あゆみさんのマリオや外山一機さんのドラゴンクエスト、田島健一さんや飯島章友さんの〈奥〉、川合大祐さんや中家菜津子さんののび太やペソア、車谷長吉さんや吉田類さんの滞留と流浪。
どうしても外から入ってきてしまうものを言語化して外にたえず送り返していく。そういう運動性が短詩にはあるんじゃないかとおもったんです。
そういう内と外を縫いとめる臍のようなものが。
わたしは短詩から、いつも、社会や世界のおへそのことを教わっているような気がするのです。
【28、飯田有子さんとたすけて】
「たすけて」ほしい主体が「たすけて」と叫んでゆくそのプロセスのなかで壊れていく。たすけて
【29、柳谷あゆみさんとマリオ】
たった〈一度〉しか生きられないこと。わたしたちのすごくシンプルな生のリアリズム。
【30、田島健一さんと奥だらけ】
「もはや誰が不審者なのかすらわからない」全方位的に主体が解体される場所。
【31、飯島章友さんと巨眼】
でも誰かはわからない。誰かがいるのはわかるけれど。そして、その誰かと、ときどき、ふっと、眼が、合う。
【32、車谷長吉さんと崖】
「頭の中には崖があるのね?」「そうや、崖があるんや」
【33、川合大祐さんと野比のび太】
のび太とわたしはタンジールの大門で別れた。たしか、わたしたちは「さようなら」もいわなかったように思う
【34、外山一機さんとドラゴンクエスト】
ここは ゆうきをためされる しんでんじゃ。 たとえひとりでも たたかうゆうきが おまえにはあるか?
【35、中家菜津子さんとフェルナンド・ペソア】
あらゆる詩はいつも翌日に書かれる。
【36、吉田類さんとロラン・バルト】
少しでも希望があるのならおまえは行動する。希望はまったくないけれど、それでもなおわたしは……あるいはまた、わたしは断固として選ばぬことを選ぶ。漂流を選ぶ。どこまでも続けるのだ。
外との往還。それが8月の今回のテーマだったのかなと。
それは飯田有子さんの歌の助けを求める主体からはじまって、柳谷あゆみさんのマリオや外山一機さんのドラゴンクエスト、田島健一さんや飯島章友さんの〈奥〉、川合大祐さんや中家菜津子さんののび太やペソア、車谷長吉さんや吉田類さんの滞留と流浪。
どうしても外から入ってきてしまうものを言語化して外にたえず送り返していく。そういう運動性が短詩にはあるんじゃないかとおもったんです。
そういう内と外を縫いとめる臍のようなものが。
わたしは短詩から、いつも、社会や世界のおへそのことを教わっているような気がするのです。
【28、飯田有子さんとたすけて】
「たすけて」ほしい主体が「たすけて」と叫んでゆくそのプロセスのなかで壊れていく。たすけて
【29、柳谷あゆみさんとマリオ】
たった〈一度〉しか生きられないこと。わたしたちのすごくシンプルな生のリアリズム。
【30、田島健一さんと奥だらけ】
「もはや誰が不審者なのかすらわからない」全方位的に主体が解体される場所。
【31、飯島章友さんと巨眼】
でも誰かはわからない。誰かがいるのはわかるけれど。そして、その誰かと、ときどき、ふっと、眼が、合う。
【32、車谷長吉さんと崖】
「頭の中には崖があるのね?」「そうや、崖があるんや」
【33、川合大祐さんと野比のび太】
のび太とわたしはタンジールの大門で別れた。たしか、わたしたちは「さようなら」もいわなかったように思う
【34、外山一機さんとドラゴンクエスト】
ここは ゆうきをためされる しんでんじゃ。 たとえひとりでも たたかうゆうきが おまえにはあるか?
【35、中家菜津子さんとフェルナンド・ペソア】
あらゆる詩はいつも翌日に書かれる。
【36、吉田類さんとロラン・バルト】
少しでも希望があるのならおまえは行動する。希望はまったくないけれど、それでもなおわたしは……あるいはまた、わたしは断固として選ばぬことを選ぶ。漂流を選ぶ。どこまでも続けるのだ。
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