【あとがき】田河水泡『滑稽の研究』のあとがき
- 2016/09/23
- 13:54
滑稽を総合的に研究するということは、間口を拡げることなので、それだけ奥行きは浅くなるから、骨を折ったわりにはうわっつらだけの浅薄な解説に終わっています。その欠点を補うためには、さらに資料を追加して埋めることですが、それはどこまでやってもこれでよしということにはならないので、打ち切るチャンスがないままに長い年月を過ごしてきました。
始めは自分の勉強のための研究だったので、急ぐこともなく、気の向いたときの調べごとにして、何年も空白に過ごしたこともありました。資料が溜って研究の形がついてくると、これを勉強の報告書として出版したい欲が起こってきたのですが、ぐずぐずしているうちに今年は八十八歳になりました。
ここらで本にしておかないと、もう先がないというわけで、これを米寿を記念する出版としました。
田河水泡「あとがき」『滑稽の研究』
始めは自分の勉強のための研究だったので、急ぐこともなく、気の向いたときの調べごとにして、何年も空白に過ごしたこともありました。資料が溜って研究の形がついてくると、これを勉強の報告書として出版したい欲が起こってきたのですが、ぐずぐずしているうちに今年は八十八歳になりました。
ここらで本にしておかないと、もう先がないというわけで、これを米寿を記念する出版としました。
田河水泡「あとがき」『滑稽の研究』
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