【あとがき】前田英樹『小津安二郎の喜び』のあとがき
- 2016/10/02
- 13:09
私事になるが、二十三年ほど前に、私は『小津安二郎の家ーー持続と浸透』という、原稿用紙で百五十枚ほどの小さな本を書いたことがある。この本は、少数の人からは褒められたけれども、何を言っているのやら皆目わからぬ、というのが大方の評であった。今回の本を書くにあたって、旧著を読み返してみたが、大方の評というものには、やっぱり信用の置けるところがあると思った。それで、ずいぶんと書き方を変えたつもりだが、根本のところでは何ひとつ変えようがないことにもまた、少し驚いている。しかし、こうした判断は、すべて読者に委ねられるべきものだろう。
前田英樹「あとがき」『小津安二郎の喜び』
前田英樹「あとがき」『小津安二郎の喜び』
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