蛸や木や星やあとがきや
- 2016/10/10
- 07:42
わたしとそのひとのふたりが呼ばれてここで絵の話をしなさいと言われて絵をめぐる話をしていたんですが、気がつくと呪文と世界の根っこをめぐる話をしていてこういうことってあるんだなあと思いました。たとえば十歳のじぶんがのちに真剣に呪文をめぐる話し合いをすることになるなんて予想できていたかどうか。呪文や世界の根っこや蛸や木や星について話し合いました。キラキラについても。とてもまじめに、ゆっくりと、これまでのことを思いだしながら。いままで語りそこねたことをできるだけいま言葉にできるように注意深くていねいに声を使いわけながら。できるだけ相手のことばに耳をすませながら。じんせいってふしぎだなあとおもったんです。こんな大人になって、しんけんに呪文の話をすることになるなんて思わなかった。びっくりだなあとおもったんです。すべてが話し終わったあとに、こんなことになるなんて、こんなにたくさん呪文の話をおとなになってからするなんて、「あれあれ、びっくりですね」と相手のひとに言ったら、「いやぜんぜん」と言ったので、さらにびっくりしました。すいません、最後だけちょっと嘘をつきました。
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- テーマ:詩・ことば
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- カテゴリ:あとがき選集