ユーフォーを待っているあとがき
- 2016/12/13
- 11:40
さいきん時実新子さんについていろいろ考える機会をいただいたので、ずっと新子さんの本をあれこれ読み返していたんです。
そのとき、新子さんの、「わたしは市役所以外で本名を使ったことがありません」という記述にであったんです。
この新子というのは筆名なんですね。初めての句会でとっさに、新人であるじぶんとしてつけたのが新子だったそうなんです。
ここでおもしろいなと思ったのは、新子さんにとって新子であることは、それが筆名であったように、〈仮構〉とはなにか、を考えるということでもあったのではないかということです。〈仮構〉を一句一句構造として言葉のなかで考えていくことで、相手に伝達する構造をつくりあげることができる。
仮構からはじめて、仮構がふりきれるしゅんかんをかんがえる。それが新子さんの川柳だったんじゃないかなとちょっとおもったんです。
新子さんは新子さんでありながら新子さんっぽくない場所もたえず志向していたのではないかとおもうんです。ユーフォーに乗ってやってくる未来の読者を。
たとえばこんな句。
私ですか ユーフォーを待っている 時実新子
そのとき、新子さんの、「わたしは市役所以外で本名を使ったことがありません」という記述にであったんです。
この新子というのは筆名なんですね。初めての句会でとっさに、新人であるじぶんとしてつけたのが新子だったそうなんです。
ここでおもしろいなと思ったのは、新子さんにとって新子であることは、それが筆名であったように、〈仮構〉とはなにか、を考えるということでもあったのではないかということです。〈仮構〉を一句一句構造として言葉のなかで考えていくことで、相手に伝達する構造をつくりあげることができる。
仮構からはじめて、仮構がふりきれるしゅんかんをかんがえる。それが新子さんの川柳だったんじゃないかなとちょっとおもったんです。
新子さんは新子さんでありながら新子さんっぽくない場所もたえず志向していたのではないかとおもうんです。ユーフォーに乗ってやってくる未来の読者を。
たとえばこんな句。
私ですか ユーフォーを待っている 時実新子
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