【お知らせ】「対談 安福望×柳本々々「絵と短歌とペン」」『かばん 特集〈描く短歌〉』2016年12月号
- 2016/12/18
- 23:13
『かばん 特集〈描く短歌〉』2016年12月号において、安福望さんと「絵と短歌とペン」という対談をさせていただきました(企画内容含めてこの対談はかばん編集人のながや宏高さんが企画くださったものです)。
またこの特集チーフも務めさせていただきました。〈絵と短歌〉という決してやさしくはないテーマにご寄稿くださった執筆者のみなさん、ありがとうございました。
今、ながや宏高さんにお誘いいただいて今月の『かばん』の特集〈描く短歌〉をめぐる対談をさせていただいていて、そのうちかばんのブログに掲載されるとのことなんですが、おもしろかったのが、絵と短歌について話し合っているうちにゲーム文化というものを考えざるを得なくなっていったというところだったんですね。
けっきょく、イメージとテキストを取り混ぜた表現様式ってゲームだったんじゃないかと思うんですよ。ずっと。そして、今も。
でも、いや、柳本、マンガだってそうじゃないか、と言われそうですよね。たしかに私も今書いていて、あれ、まずったな、と思いました。
ただ問題は、拡張現実をどう考えるか、ってことなのかもしれないのです。
たとえば今回の特集で光森裕樹さんが拡張現実について言及されていたけれど、絵と短歌を考えるということは、わたしたちの現実の拡張の仕方を考えることなのかもしれないんですよね、実は。イメージとテキストを考えることではなくて。
その意味で、位置情報を使ったポケモンGOやPSVRなんかを考えることに近いんじゃないかと思うんですよ。
たとえば今回寄稿くださった岡野大嗣さんはさまざまなメディアイベントを試みられていますが、具体的に短歌をみてみても、
ハムレタスサンドは床に落ちパンとレタスとハムとパンに分かれた 岡野大嗣
(『サイレンと犀』書肆侃侃房、2014年)
これって〈サンドイッチの拡張現実〉をめぐる歌じゃないかと思うんですよね。
そんなことで、実はイメージとテキストを考えることは、拡張現実を考えるということなのかなと思いました。たぶん今回の対談で安福さんがキーワードとしてあげた黒沢清監督の映画『カリスマ』も現実を極端に貧困化させることで見えてくるハイパーリアルを描いた映画だともおもうんですよね。
近況、でした。
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