【お知らせ】新聞取材記事「新子を読む 新子へ詠む 時実新子没後10年 世界と「私」を結び付けて」『神戸新聞』2017年1月7日
- 2017/01/07
- 10:17
川柳作家の時実新子さんをめぐって神戸新聞の平松正子さんから取材していただきました。
新子さんが亡くなって十年ということで、〈いま〉時実新子を読み直す、という新年から始まる五回連載の企画で、各回ひとりの人間が新子さんの一句について語るという構成になっているんですが、私は最終回で登場させていただきました。平松さんにつけていただいたタイトルの通り、世界と私の接点をまさぐる時実新子さんについてお話してみました。
この連載は八上桐子さんから始まって、樋口由紀子さん、久留島元さんなどが新子さんの一句について語られていたんですが、新子さんって多面的なんだなあとあらためて思いました。
たとえば、八上さんのように時代の枠組みのなかで新子さんをとらえ直す読み方があったり、樋口さんのように言語表現から新子さんをとらえ返す方法もある。どっちもおもしろいと思うんですよね。ふっと、なんだか、新子さんがどちらも用意して川柳をつくっていたような気さえしたんです。
ときどき、竹井紫乙さんと新子さんについてお話させていただくんですが、たぶんそのなかでよく私がしおとさんの話を聞きながら学んだことというか、思っているのが、新子さんは《ああもいってたけれど、こうもいってた》ってことなんですね。どっちも、いってた。そういう多面体としての新子さんがいたんじゃないかというのが今のきもちです。
新子さんというひとは、文化と表現の立体を生きた川柳作家だったんじゃないかって、いま、おもうんです。そしてそれが新子さんにとっての愛のかたちだったんじゃないかとも。
愛は無機質な平面ではなく、キャベツのような複雑な立体をしている。
愛があり大きなキャベツたべつくす 時実新子
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