【短歌連作】「孤独の練習」『かばん』2016年11月号
- 2017/01/22
- 17:30
【詞書】わからないなら、わからないでも良い。 森博嗣
靴なんていらない場所のやわらかさかたさふがいなさいたさはげしさ
嵐の日に暴食するのはなんでだろうグラタン苺タルトハンバーグ
「ゴミのような人生だったと死ぬ間際泣かないといいな」真顔で聞いてる
(ゴミ捨て場の黄色い網でもし俺が捕らえられたら痛いだろうな)
そんなにもとがった靴をはいてるが幽霊なんだろ 聞くと頷く
(どうしてはだしでねころんでいるのか理解ができないああこれは血だ)
ムーミン谷で僕らが踊った夜にコンビニ強盗死傷者二名
交接のときに次元がずれるのはまだこの地球【ほし】に慣れていないから
柳本々々「孤独の練習」『かばん』2016年11月号
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【添え書き】
ドラマに『孤独のグルメ』があったが、わたしは孤独以前に勇気がないので飲食店にひとりで入れない。孤独には勇気が必要なんじゃないかなと友人に話したら、じゃああなたはこれから勇気のグルメをしたらいいんだよ、という。そうかなあ、と私は言ったが声があっちこっちに震えているのがわかった。
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