【短歌】体毛を…(「毎日歌壇賞2016年・米川千嘉子 選」『毎日新聞』2017年2月14日』)
- 2017/02/14
- 19:34
2016年の毎日歌壇賞(米川千嘉子さん選)をいただきました。ありがとうございました。
体毛をはじめて少し剃った夜ウルトラマンの銀色の肌 柳本々々
米川千嘉子さんから次の選評をいただきました。
ウルトラマンはすべすべに輝いて万能。人間は生物としてのざらつきや多くの不可能を噛みしめて生きる。二句の細かい表現も生きた歌で、回想には現在の思いも滲んでいるだろう。
受賞の言葉としてこんなふうに書かせていただきました。
剃るということは取り返しがつかなくなることだ。始まったら終わらせなければならない短歌に似ている。私は素晴らしくないしウルトラマンにもなれない。体毛を剃って、歩いて、這って、時々歌おうと思う。
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鬱ふかきわれを少年は連れ去る借物競争の借物として 米川千嘉子
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