【お知らせ】川柳年間回顧「現代川柳を遠く離れて-任意のnとしての二〇一六年」『俳誌要覧 2017年版』(東京四季出版、2017年3月)
- 2017/03/09
- 11:35
『俳誌要覧 2017年版』(東京四季出版、2017年3月)に、2016年の川柳年間回顧として「現代川柳を遠く離れて-任意のnとしての二〇一六年」を書かせていただきました。
年間回顧と言ってもあくまで私の視点からしかできないので、できるだけ現在の現代川柳を象徴するような句集を取り上げようと思い、兵頭全郎さんと川合大祐さんの句集を主に取り上げ、また小池正博さん、岩田多佳子さん、久保田紺さん、熊谷冬鼓さんの句集も取り上げさせていただきました。
他になかはられいこさんの編著や川柳フリマでの短歌のこと、今年から変わった高田寄生木賞のことも書いています。
書いたことは副題にあるとおりで、現代川柳にとって2016年は〈任意〉の年だったのではないかということです。それはジャンルがいったんカッコにくくられ、再吟味される年だったのではないかと。わたしはそんなふうに2016年を思いました。
ちなみに今あらためて自分の書いたものを振り返ると、ほんの少しだけ書きましたが、石井僚一さんの存在がとても大きかったんだなと思います。
だんだんジャンルがどことなくぐるぐるかきまぜられながら思考されるようになっていることもさいきん感じていますが、どうもその契機が短歌における石井僚一さんの虚構問題がとても強いきっかけになっているように思います。
もしかしたら、ほんとうに大事なことというのは、答えをだすということではなくて、問いを提出することかもしれないなとあらためて思いました。石井僚一さんが、或いは石井僚一さんをめぐって加藤治郎さんが提出されたような問いかけは、短歌以外にも川柳や俳句にとっても大きな問いかけになっているようにも感じました。もちろん、わたし自身が問い返されることとしても。
ちなみにこの『俳誌要覧』、青木亮人さん、生駒大祐さん、上田信治さん、岸本尚毅さん、黒岩徳将さん、小池正博さん、関悦史さん、鴇田智哉さん、外山一機さん、堀下翔さん、など、とても豪華なおもしろい執筆陣になっているので(私も書いているときは知らなかったのですが)、もしお手に取られる機会があればぱらぱら読まれてみるのもおもしろいかもしれません。
ところでnといえば、
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