【川柳連作】「油の瓶」『川柳の仲間 旬』210号、2017年3月号
- 2017/03/29
- 21:55
信号が錯乱してる江戸時代
亜おじさんに限定された動物園
世界文学を確保せよどほんとした穴も
主語とか動詞とかどうでもよくて沼
どうして「う゛らヴぃんじゃあや」と言うの
油の瓶をポッケ に入れたまま話す
誕生日ほとんど光をしていない
毛深い記憶こわがる記憶
飛んでいる象の背中に妻がみえ
介護百人一首二〇一七骨川家
柳本々々「油の瓶」『川柳の仲間 旬』210号、2017年3月号
オムレツができていくときの、ぐじゅぐじゅしたところからだんだんとかたちをなして、ふっくらしていく過程がとてもすきで、こないだ、好きな過程とかってありますか、ときかれて、その過程がすきだ、と説明したのだが、人生で好きな過程をきかれたのははじめてだったので、いまの過程がとてもすきですね、といった。
それからそのひとの駅がきたので、降りて、わかれた。
*
【課題句「誤」】
「誤報でした」と割れて謝るコップ 柳本々々
雨の途中ばらばら降ってくる誤字 〃
髪じゃないものが髪として生えてくる 〃
*
立ちばなしするのに丁度いいススキ 小池孝一
誤作動がこわいので動かしっぱなし 大川博幸
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