【あとがき】浅沼璞『西鶴という鬼才』のあとがき
- 2017/08/21
- 13:47
一所不在の芭蕉は心身ともに旅を住みかとした。いっぽう西鶴は町中(大阪市中央区)に定住しながら、精神的には悪所を住みかとした。俳人の齋藤愼爾氏は、時代錯誤的な放浪詩人を批判するのに、小林秀雄の以下の一文を引用したことがあった。
「世間に捨てられるのも、世間を捨てるのも易しい事だ。世間に迎合するのも水に自然と沈むようなものでもっと易しいが、一番困難で、一番積極的な生き方は、世間の直中に、つまり水無きところに沈む事だ」
西鶴こそ「水無きところに沈んだ」作家ではなかっただろうか。
浅沼璞「文学に描かれた虚像と実像ーーあとがきにかえて」『西鶴という鬼才』
「世間に捨てられるのも、世間を捨てるのも易しい事だ。世間に迎合するのも水に自然と沈むようなものでもっと易しいが、一番困難で、一番積極的な生き方は、世間の直中に、つまり水無きところに沈む事だ」
西鶴こそ「水無きところに沈んだ」作家ではなかっただろうか。
浅沼璞「文学に描かれた虚像と実像ーーあとがきにかえて」『西鶴という鬼才』
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