【あとがき】石原千秋『漱石と日本の近代』のあとがき
- 2017/09/26
- 10:24
漱石は漱石らしくない。この本をまとめながら、こういう言葉が頭から離れなくなった。
私たちは近代そのものを見ることはできない。鉄道というテクノロジーが現れ、それが時間厳守という行動規範となったときに、近代を目にし、それを身体化したことになる。その時、私たちは近代人になったのだ。
漱石は日本近代の原型となった山の手を書き続けた。そこに現れた男や女のあり方、家族や明治民法、教育や知識人、ハビトゥスや資本主義、そして家族制度を離れた愛といった、形として現れた近大を書き続けた。近代は常に自己矛盾を抱えている。この本では、近代が形となったとき、近代が近代を裏切るその瞬間を捉えたいと思った。
石原千秋「おわりに」『漱石と日本の近代』
私たちは近代そのものを見ることはできない。鉄道というテクノロジーが現れ、それが時間厳守という行動規範となったときに、近代を目にし、それを身体化したことになる。その時、私たちは近代人になったのだ。
漱石は日本近代の原型となった山の手を書き続けた。そこに現れた男や女のあり方、家族や明治民法、教育や知識人、ハビトゥスや資本主義、そして家族制度を離れた愛といった、形として現れた近大を書き続けた。近代は常に自己矛盾を抱えている。この本では、近代が形となったとき、近代が近代を裏切るその瞬間を捉えたいと思った。
石原千秋「おわりに」『漱石と日本の近代』
- 関連記事
-
- 蛸や木や星やあとがきや (2016/10/10)
- 【あとがき】石原千秋『漱石と日本の近代』のあとがき (2017/09/26)
- 【あとがき】五味渕典嗣『谷崎潤一郎讀本』のあとがき (2017/11/22)
- 【あとがき】さやわか『文学の読み方』のあとがき (2016/11/21)
- 【あとがき】荻原裕幸『あるまじろん』のあとがき (2014/07/20)
スポンサーサイト
- テーマ:詩・ことば
- ジャンル:小説・文学
- カテゴリ:あとがき選集