【短歌連作】「凄い地獄」『かばん』2017年5月号
- 2017/10/20
- 06:42
山手線を降りられずにいるひとたちが凄い地獄に転轍される
Wi-Fiのスポットにいるひとたちでなんかしたいよねという発想
満員の車両を歩く歩くひとおねがいだからころされたくない
A8やB5E3出口からそれぞれ上がり同じ場所にゆく
キオスクが変形合体する夜のとても静かなため息だった
「出来事のその大半が靴の上で起きているのよ」知った顔して
漱石の『坑夫』のようなふわふわも、正しいことを言うあなたの歯
吊革をつかもうとして宙を掻く俺はげんきだしきみもげんきだろ
柳本々々「凄い地獄」『かばん』2017年5月号
【添え書きの園】
こないだ真面目な話をきいているときに、鼻血がでてしまい、鼻血を流したままその場に倒れ伏しそうになったが、なんとかティッシュを鼻に動員することで回避。鼻にティッシュをつめこんではいるものの、できるだけ、おだやかな、まじめな、あたたかい、むかしなじみの、なつかしい顔をして、聞いていた。
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