【短歌連作】「恭子」『かばん』2017年10月号
- 2017/10/21
- 00:40
漬け込んだ眼鏡をじっとじっと見て黙って考えている恭子が
耳たぶに光が射して透けていて恭子がそれに驚いている
ティッシュボックスどうしてすぐにきえるのかっていうか恭子はどこにいったのか
ロケットのぶりきのかけらほんとうは恭子じゃないって言えばよかった
飲み会で恭子が隅をさがしてるここがここちよいやわらかいよここ
飲み会のなかで飲み会の形式をとらないままでいるんだな恭子は
お酒だと殴られるのが九割と恭子がいうのを助手席で聞く
泥酔しないでください恭子から崖から落ちるほんとうを聞く
柳本々々「恭子」『かばん』2017年10月号
【添え書きの園】
おかしいないつもよりなんだか徐々に弱ってくるな眼がかすれてくるなへろへろしてくるなこの物語と思ってへろりながら一所懸命に本を読んでいたのだが、あまりにもへろってつっぷした瞬間、机に置いておいた虫除け剤がみえ、読書家も虫としてやられてゆくんだとおもい、
- 関連記事
スポンサーサイト
- テーマ:短歌
- ジャンル:小説・文学
- カテゴリ:々々の短歌連作