【詩】「日本の目黒、勇気」『現代詩手帖』2018年1月号・広瀬大志 選
- 2018/01/22
- 00:04
なんでもないもののなかで揺れていた
なんでもない日本の目黒のなかで なんでもないかんじで
ゆれていた なんでもないあなたがいて
なんでもなくすわっている
わたしははなしかける
できるだけ無意味なふうあいで
あいさつもしない
伝達もしない ただおとが
ぶれるようなやりかたで
しかしなにもそれはひっかけない
わたしたちはなんでもなく
だきあって
なにかをうみださず
おたがいのあいだを
ゆうきしあう
それからすこしみずをのんで
なんでもないばしょで
だきあって
さわりあい
はなしをつくり
はなしだし
ねむった
柳本々々「日本の目黒、勇気」『現代詩手帖』2018年1月号・広瀬大志 選
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