【短歌連作】「公共交通機関への意識」『かばん』2018年5月号
- 2018/04/22
- 01:14
まっさらなノートの余白に澄んでいたゆうれいが変春の踏切
風がこんなにも痛いものだとは思わなかったから踏切で急に
図書館で次々消える司書たちの次回予告をくすんだ家で
バス停でバス待っているおばさんの後ろに並びバスへの意識
びっしりと書いたてがみを玄関のはいったとこに置いてくるこわさ
そうでしょう?違いますか?と何度も何度も確認される手紙
チョコの箱をあけると書類の束で、でもまだ二人で話し合いをした
いないのにわたしが更新されている笑顔の粗さ夏のざあざあ
柳本々々「公共交通機関への意識」『かばん』2018年5月号
こないだバスで隣に座ったこどもが私の顔をじっとみつめてるようなきがして、 じっとみてるのかなあじっとみてるのかなあと思いながら窓の外をみていたが、ちょっと確かめてみようと思ってこどもをみたら私の眼をじっとみつめていたから、二人、みつめあうかたちになった
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