【短歌連作】「でぶ、私の人生は変化しつつある」『かばん』2018年7月号
- 2018/07/15
- 12:45
矢や弓やレモンや手紙、合い鍵や薔薇やコップやじょうろを持つ手
前世とか来世とかよくわからない、んだけれどきみはすごい眼の速さ
指輪のタトゥーが入ってるのかあ。羊の息の草の死のにおい
宙(そら)からの船。武装もせずに談笑し指さしあって待っていたんだ
猫たちよおれはおっきい猫なのかわあわあ泣くと寄ってくるんだ
うちにかえりたいの?とあなたにきかれる朝のカナリアがすごい
船室の窓に映っている猫とその猫を抱くふとったわたし
ありがとうございました。量のある髪をゆらしてやめたいという
柳本々々「でぶ、私の人生は変化しつつある」『かばん』2018年7月号
※
〈ぼんやりブックガイド〉に田島健一『ただならぬぽ』を入れるとしたら小説は太宰治『女生徒』や夏目漱石『それから』、カーヴァー『足もとに流れる深い川』等を入れたい。どれもぼんやりしててジェンダーレスなふわふわした不穏さがある(けど暴力的)。
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