【短歌連作】「まだここにずっといるの?」『かばん』2018年8月号
- 2018/07/27
- 21:44
彼がいうようにわたしたちはきのこなのかもしれなかった どっと木
いつか俺に死がくるだろうりっぱな犬がおしっこするときの震え
このカヌレだれのと言われ手をあげる桜の園が手に入ったのに
スクルージスクルージ (間) スクルージ あなたのことがだいすきだった
あと二十日過ぎると戦(いくさ)がやってくる「やだなあ」とかは許されていない
さようならまだまだまだ出ないけれど車窓をみると意味が手を振る
あるくとき木をみていたが木でなくて母が感じた木だとしてあるく
ミッドナイト机に瓶は林立し俺がやんなくちゃならなかった
柳本々々「まだここにずっといるの?」『かばん』2018年8月号
※
窪美澄さんの『ふがいない僕は空を見た』はどんなに醜くても全然それは構わないから、それを吹っ切った性的などろどろが相手と素直にどれだけできうるのかを、とてもチープに、でもそのチープを価値をもって描いたものだと思う。やってしまえない勇気があっていい。勇気なくていい。
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