【短歌連作】「かわいい青年」『かばん』2018年10月号

彼女とラーメンをすすりながら肩をぶつけながらラーメンを食べる

隣のひとに降りますと言えなくてずーっと終点ちかくまで乗る

２時間もワインの蘊蓄聞かされて帰って任天堂に勤しむ

つむってるからどんな器具がつっこまれてるかわからない歯の治療

泣いてたらこれは美味しいカツ丼であのこの脇毛凄かったな

なんでわたしを愛することをやめないんだろうときいたことがある

そば屋のお姉さんからもう食べられなくなっちゃったの？ときかれる

えんえんと泣いてわめいて手まで取り占い師まででてくる話

　　柳本々々「かわいい青年」『かばん』2018年10月号

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ときどき、映画の内容よりもたった一瞬あらわれた「おっぱい」がすべてを持っていってしまう映画がある。おっぱいと物語ってどういう関係にあるのか。おっぱいと物語はなかよくなることができるのか。そんなことをかんがえながら、今、夏にいた。