【詩20】そこらへんの光のかなた
- 2023/09/03
- 00:00
にちようび。
いつもとちがう
やりかたでテレビを
みようという話になって
そのひ ふたりで
ほんをよむように
テレビをみた
日曜だったのに
そとはしずかで
わたしはまだいろんなことを
しらないしあわせなにんげんの
きもちになれた
「ねえ、あのさ
〈おやすみなさい〉って
いつも夜になると
このちきゅうで
はやってるよね
もしかして
〈おやすみなさい〉って
ひゃくねんたっても
まだこのせかいで、はやってるのかね?
ぼくがしんでも、とか
そんなん かす になるくらい
このせかいで
おやすみなさいって
はやりつづけていくのかな?
いつかなくなるかもしれない
山や川をこえて」
わたしはいった
山や川がその話をきいて
どんなふうにおもったか
わたしはしらない
きみはだまってる
きみはねむってるみたいだ
だれかにそうしていなさいと
いわれたように
ふかくねむってる
えぴそーど。
家にみんながそろって
それぞれの場所に いるのに
なんとなく ひるま
かくじんのかくばしょで
うとうとして そのまま
ねむりこんでいることがある
みんなおなじところにいて
どうじに
みんなべつべつのかなたにいる
どうしてそんなことがおこるのかな
わたしはいつもなんども おもう
みてない、みらい。
おやすみなさいが
すたれた日に
わたしは いる
おやすみなさいを
なつかしいねと
みんなで いいあって
いる
みんなでねるまえいいあってたねー
なさい外して おやすみ とかもあったよねー
そこらへんの光のかなたで
みんなそれぞれのやりかたで
おやすみなさいを
思い出してる
きみがめをさます
わたしたちはまた
テレビを見ている
にちようび。
いつもとちがう
やりかたでテレビを
みようという話になって
そのひ ふたりで
ほんをよむように
テレビをみた
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