【詩29】キャラメル・チョコレート・ムース
- 2023/09/12
- 00:00
洞窟の奥からきこえる声
の女の子を
好きになったことが
ある
かのじょと話すといつも
まんなかでくっきょうなおとこたちが
はだかで火をたいていた
おとこたちは肉をやいている
うれしそうだ
それにまじって
かのじょのこえがきこえる
やぎもとくんがどうとか
すごいかわのすごいながいはしを
いろんなきもちでわたったこととか
あとはうほうほとか(このうほうほについては
ちょっとわからない)
火とおとこたちと
象かなんかの肉と
いろんなかたちを
した愛とコンビニ
のハーゲンダッツ
の話と また火と
わたしはどうも
かたあしつっこんで
沼のなかにいるみたいなんです
とかのじょは
刑事さんみたいなことをいった
でもそれもずっと遠くから
羊飼いがなんとか角笛で
ワンチャンスつたえてみました
くらいの感じできこえた
そしてその声の
まわりを狼がうろうろしていた
みんな赤ずきんに会うことのなかった
おおかみばかりだ
かれらは
おなかにいしをつめこまれることなんて
なかった
そんなざんにんでざんこくなことが
なかまにおきて なんどもなんども
それがくりかえされる伝説になっていることを
かれらは
しらない よかった
あえてよかったよね
と ときどき いいあっていた
ほんとうだね とわたしはいった
来世にも また きたいしよう
洞窟から愛にかんする
みじかいこえがしている
ぎゃくにここは未来なんじゃないか
とおもうくらい
すごくむかしの洞窟で
そこには刑事も羊飼いもいない
ハーゲンダッツもないしコンビニもない
ただ 火と あえたひとがいるだけ
わたしたちは
伝説にはならないけれど
ときどき会って
むかしのはなしや
さいきんのはなし
かおうとおもえばすぐにかえる
たべもののはなしをした
けんかもしたが
まあたいていは
なんとかなるものだった
そうして
すごくシンプルに
とてもふるい むかしの火を
とおして
また あえた よかった いたい あいたい
そんなようなことを
いいあって いた
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