【詩45】ね
- 2023/09/28
- 00:00
きょう
びょういんの
まちあいしつでまっていたら
いんふぉめーしょん
ということばが きこえて
いんふぉめーしょん
ということばのかわいさに
けっこう いまさらながら おどろき
むねをおさえました
たとえばもし
猫が猫でなく
いんふぉめーしょん というなまえ
だったら せかいはまた
べつのかたちになっていたのではないでしょうか
いんふぉめーしょんがわたしのあしのこうを
そのちいさなからだでつかみ
にゃっ にゃっ とキックして
わたしたちはこのこたちとすこし星がちがうのかな
と わたしはおもったりもします
雨がいんふぉめーしょんだったら
いんふぉめーしょんふってきたね と
あなたがわらっていうせかい に
わたしはおりたちます
あなたにふりかかるいんふぉめーしょんのつぶつぶ
という ぐあい です
すこし 濡れて
あなたはわらいつづけていますね オッケーです
もしくは
さようなら が いんふぉめーしょん だったら
わたしたちはあいするひとにまたあうために
いんふぉめーしょん
といって てをふることになるわけです
いんふぉめーしょん
いんふぉめーしょん
あれっ
せっかく てをふったのに また ぱっとかけよりました
どうしたのかな なにかあったのかな
ああ いんふぉめーしょんをやりなおしたんですね
すきなひととはなんどでもいんふぉめーしょんを
やりなおすものですよね なるほど ね
たとえば あなたが
どういうメロディーで
いんふぉめーしょん と
いうんだろうな とも きになりました
ええ わかってますが、
ふぉ っていったあと めー になる
それもすごいことなんですが
そのあとに
すこしかなしくかわいくみじかく しょん
という これは
なんですか
これはなんですか
わたしはいままで
情報
を
けぎらいしていました
きらいなもののらんには
情報
と かいていました
天国には情報がありませんように
まじめにこどものように
いのっていました
けれど いんふぉめーしょん は
ね?
☆
ここは待合室で
わたしの名前がよばれている
ようでした
情報が
さけばれていました
わたしはかみをなでつけた情報になって
たちあがります
しぬときじぶんが
いんふぉめーしょんだったら
よいなあ
たちあがったしゅんかん
すこし よろけて
「ねえ すべてのいみを
いきてるうちに あなたから
きくことなんて できないね」
と 秋のひかりのなかで
わらって あたりまえの
ことをいった
あなたのことばが
おもいだされました
あなたはわらっています
あなたは情報でもいんふぉめーしょんでもない
なにか をわたしにわらっていったのでした
わたしもわかったかおをして
ね といって わらって うなずきました
こころがすごくなっていました
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