【詩47】どこにもない愛
- 2023/09/30
- 00:00
ひょうげんの
きょうしつだったのに
こわす ということについて
みんなで しぜんと はなしあってて
いやだ こわしたくない
って ないちゃうひとも
いたんだけど
でも ひとはときどき こわすね
あれ なんだろう って
ぼくが ふっ といって
みんな ふしぎなかおで
こぶしをまえに しゅっ しゅっ
ってやってるひともいて
となりのひとが めいわくそうな
かおを していたけれど
たとえば
レゴブロックかなんかで
東京丸の内のビル街が
さいげんされてたら
やっぱりみているうちに
だれかこわしたくなっちゃう
ひとがでちゃうんじゃないのかな
(こわすホイホイ というか)
そのひとがそのぶろっくのビル街にむかって
おもいっきり革のかつては牛だった
かばんをなげつけて
そのひともきっといろいろ
虫なんかも愛してきたはずなのに
まち がわれてこわれるってこういう音なんだ
ブロックでできあがった
空のない東京のまちなみが
こなごなに くだけ ちる
それがつみ なのか
いいことなのか わるいことなのか
なにをだれをきずつけたのか
みんなわからないんだけど
こわしちゃった ので
こわしたのはわるいから
とりあえず みんなでそのひとを
とりおさえてみる
とりおさえたひともはじめてひとを
とりおさえたのでひとをとりおさえること
ってこういうことなのかなあと
うでにちからを
いれて みる
こわしちゃったひとは
こわしちゃったひとだ
レゴブロックたちは
とびちりながら
いがいに たのしくて
やったねー とわらいあい
りりしく そうかいに
丸の内のビル街いがいのものに
これからなれることを
くすくすときぼうをもって
よろこびあいながら
ちって いった
☆
こわすはなしあいを
した ぼくは
家に帰って
さざえさんをみている
しつこく録画しているのに
さざえさんとの
きょりかんが いつもつかめなくて
なかなか録画したのを
しょうかできない
だからハードディスクには
さざえさんばかりたくさん
たまってて
でもすきなひとがさざえさんを
すきだったから
すきなひとのひんとが
あるような きがして
ぼくはまいしゅう
みることをためらいがちな
さざえさんを
ろくがして ためこんでいる
ますおさんは
こわれる
っていうことに
ついて どういうふうに
おもうのかな
ますおさんが
こわれる ということについて
話した回って あったっけ
しんぷる に
きいてみたいな とぼくはおもう
ぼくはさざえさんをみている
さざえさんはぼくのめのまえで
またしっぱいし
てれかくしでわらい うれしがり
ピンクのした を だしている
それから
ますおさんのかみ に ゆびをいれ
いつもそうしているように
すこし くしゃくしゃっとした
ますおさん は めがねをはずし
さざえさんと はな をこすりあわせ
にっこりとほほえみあった
とっても ちいさなこえだったけれど
「だいじょうぶだよ」
と ますおさん が いったようだった
それから ふたりは
またすこしわらって
からみあいながら
もつれあいながら
エンディングの例の影絵の
ようりょうで
ゆらめきあいながら
この星にたったふたり で
いるかのように
だきあって
いる
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