【あとがき】江澤健一郎『バタイユ』のあとがき
- 2014/09/07
- 13:04
私は開かれた傷口だ。大げさな言葉に失笑を買うかもしれないが、私はかつてそのような思いを抱いていた。いや、それは今でも変わらない。ひとがある作家の本を読み、作家論を書く、その理由は千差万別だろう。私は、バタイユの本を読みながら、そこに開かれる傷口を見いだし、引き込まれていった。同時に私は、さまざまな芸術を前にして、そこに開かれる傷口を求め、多様な裂傷を見つめていた。バタイユの傷口、芸術の傷口、そして私の傷口が共にあり、それらの傷口は、共に交わり、まぐわい、開かれる。この本は、そのような交流の帰結である。
江澤健一郎「あとがき」『バタイユ』
江澤健一郎「あとがき」『バタイユ』
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